スペシャル 捧

□シュガーバニー
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「…綱吉? ねぇ? 起きて」

夜になり、眠りに就くオレの元に雲雀さんが来た。

「んー? 今、何時れす?」

また窓から入ってきたのだろう。
カーテンがなびいて、風と共に月明かりが部屋に降り注ぐ。

「もうすぐ0時だよ」

眠たいオレの頬を片手で触れて、優しく微笑む。

「指輪、集めてきたんだ…あとは綱吉の分」

オレの手を出して自分の手と絡める。
寝るときも指にはめているボンゴレリングにキスを一つ。

「…前に猫耳でえっちしたでしょ?」

確かに以前、リボーンからの変な薬の所為で猫耳と尻尾が生えたオレは雲雀さんとした。

「? それが……」

「コスプレ着てシようって言ったけど…やっぱり本物が良いでしょ」

本物……

「って…えっ! それだけのためにボンゴレリングを!?」

「最後まで何の動物にするか迷ってたんだ…でも、綱吉に似合うのを思いついたよ」

願いが一つ叶うという考えにおいて、誰がプレイの為に使うだろうか。
常識が通じないのが雲雀さんらしいのだけど。

「…それで、赤ん坊? どうすればいいの?」

寝ているであろうリボーンに話しかける雲雀さん。
話している内にオレの指からリングを取り、ポケットに入れていた他のリングを取り出す。

「私はボンゴレリングを守護するもの。 おお、7つ全て集めたのですね。 あなたの願いを一つ叶えてあげましょう」

「リボーン!! また変な格好して!」

寝ていたはずのリボーンは変なコスプレをして、また悪ふざけを始める。

「僕のお願いは……」

雲雀さんはリボーンへと近付いて、こそこそと願いを告げる。

「……わかりました。 あなたの願いを叶えましょう」

そう言うと、レオンが光り、小さな飴玉のようなものが出てきた。

「よっと」

「ぐえっ!」

雲雀さんのところからオレのお腹の上に来る。

「さぁ、コレをお飲みなさい」

「やだよ! 前みたいに何か生えるんだろっ」

「僕のお願いなのに…綱吉は聞いてくれないのかい?」

そんなことを言われると断れなくなる。
渋々、リボーンの手から飴玉のような物を受け取る。

「……前と違って、ママン達も家にいるんだからな? あまり大きな声で鳴くんじゃねーぞ」

オレにだけ聞こえる声でリボーンは不吉?なことを言う。

「なっ! お前見てたのかっ!!」

顔を赤らめながら言うオレに「さーな?」と言い残し、扉の前まで行く。

「その効果は一日です。 それではごゆっくり……」

悪い顔をして部屋を出て行くリボーン。

「…さぁ、お楽しみの時間だよ。 綱吉?」






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