純情な瞬間
□美咲色
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「最近の先生の作品は雰囲気が変わったと思うんです。何と言うか…昔は読み終えた時、何とも言えない感情が塊となって心を覆い『凄い…』と、本当に心から感じたんです。まるで手にしている本に特別な力があるのではないかと錯覚しそうな程。けれど今は何かこう…心がぽっかりし、その中にキラキラした感じが残るんです。小さな色とりどりの瞬きが心に残って、何だかハッとするような…それでいてホッとする感じが………。私以前もお伝えした通り、先生は色で例えると絶対何色にも捕われない透明だと思っていたのですが、今は何色とおっしゃれば良いのでしょうねぇ……。」
私に聞かれても……と笑顔で返しながら思った。
今の自分は
全て
美咲色
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