拍手置き場
□第二回拍手小説
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「…睡…骨。…スキィ…」
不意に聞こえるホナミの寝言、その言葉に睡骨は頬を赤らめながら、ふんと鼻で笑う。
「奇遇だな、俺もだよ」
そうじゃなきゃ
こんな日に花見なんざ
誘わねぇ
そうじゃなきゃ
お前にすっぴんで来いって
言わねぇ
そうじゃなきゃ
お前にこんなに
夢中になったりしねぇだろ?
お前の素とか
全部みたいんだよ
こんなに他人が好きになるのは
最初で最後
お前だけだからよ
桜の花弁が卵焼きの上にほろりと落ちた。それだけではない
二人が絡めた手
二人が重ねた頭
二人が寄り添うベンチ
そのすべて散り際の桜が花弁を散らす。
それはまるで二人のこの先を祝福しているかのようであった。
初 睡骨夢 幕
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