拍手置き場

□第二回拍手小説
6ページ/6ページ

「…睡…骨。…スキィ…」

不意に聞こえるホナミの寝言、その言葉に睡骨は頬を赤らめながら、ふんと鼻で笑う。

「奇遇だな、俺もだよ」

そうじゃなきゃ
こんな日に花見なんざ
誘わねぇ

そうじゃなきゃ
お前にすっぴんで来いって
言わねぇ

そうじゃなきゃ
お前にこんなに
夢中になったりしねぇだろ?

お前の素とか
全部みたいんだよ
こんなに他人が好きになるのは
最初で最後
お前だけだからよ

桜の花弁が卵焼きの上にほろりと落ちた。それだけではない
二人が絡めた手
二人が重ねた頭
二人が寄り添うベンチ
そのすべて散り際の桜が花弁を散らす。
それはまるで二人のこの先を祝福しているかのようであった。

初 睡骨夢 幕

最後まで読んでいただきありがとうございました。またのお越しをお待ちしてます
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ