拍手置き場
□第二回拍手小説
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「へへっ、おつまみってことでさ」
ホナミが開いたタッパの中で黄色い出し巻き卵が綺麗に並んでいる。
「へ〜卵焼きか」
「まだあったかいわよ。はい ど〜ぞ」
「ありがてぇな」
睡骨は箸を受け取ると、タッパに並んでいる黄色い卵焼きを口へ放り込んだ。
「うまい」
「ふふっお粗末さまで〜……っくちゅん!」
「ん?何だ寒いのか?」
酒がまわって頬を火照らせたホナミは鼻をこすりながら二、三くしゃみをする。その様を見た睡骨は自分が着ていた上着を彼女の体にかぶせる。
「着とけ」
「あっ…ありがと。…ふふっやっぱり睡骨の服って大きいわね〜私が着たら袖が余っちゃう」
ホナミはそう言って上着に手を通しながら笑う。服からいつも彼がつけている男物の香水の匂いがした。
「まぁそうだろうな。…お前さ」
「………」
「…?ホナミ?」
睡骨が彼女の名を呼んで振り返ると、不意に彼女の頭が自分の肩に寄り添っている。そして彼女から規則正しい寝息が聞こえた。
「寝てんのかよ…やれやれ」
睡骨は彼女の頭を撫でて、ふとその額に自身の唇を落とした。
すると彼女の頬がみるみるうちに紅潮した
それは酒のほろ酔いの性ばかりではない。
睡骨はカップ酒を飲み干しながら、彼女の頭に自分の頭を重ねた。
「とりあえず今はそこで勘弁してやる。」