拍手置き場
□第二回拍手小説
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「着〜いたぁ!公園」
「おっまだ散り切ってねぇ桜があるじゃねぇか!よかったよかった」
深夜の公園に二人の喜々とした声が響く。二人はともにベンチへ腰掛ける。すると二人の肩にはらはらと桃色の花弁が舞い落ちた。
「へー結構綺麗ね、桜のシャワーみたい!」
「だろ?風流じゃねぇか。ほらよ」
睡骨はそう言って手に持っていた袋から二つのカップ酒を取出してホナミに放った。
「カップ酒ってなんかジジ臭いわねぇ」
「うっせ!黙って飲め!…これが風流ってモンなんだよガキ!」
「は?それってどういう…?」
ホナミが小首を傾げると、ふと自分のカップに桃色の花弁がゆらゆらと浮かんでいる。
「わぁ!」
「なっ風流だろ?杯にほろりと落ちる花びらってな」
「うっわ睡骨って変なとこでロマンチストー!」
「うるせぇ!」
ホナミが睡骨を茶化すと、睡骨は罰の悪そうな顔をしてカップ酒ごとそっぽを向いた。
「綺麗だね〜、睡骨」
「そだな…」
二人が空を仰ぎ見ると、星ひとつない群青色の空に桜の花弁が雪のように舞っている。
「そうだ、私これ作って来たんだった」