拍手置き場

□第二回拍手小説
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この男は!ホナミは思わず叫びたい気持ちを喉元で押さえ込む。

「わかったら、さっさとしろホナミー!」

「わかった!だから大声出さないでってば!!」

「お前の声の方がでけぇよ馬鹿!」

睡骨との痴話喧嘩に一旦終止符を打ったホナミは窓を閉めて部屋を駆け回った。とりあえずジーパンに履き替え、戸締まりをし…ホナミはふと冷蔵庫から卵を二つ取り出す。しばらくすると彼女の部屋から香ばしい香りが漂った。

「おっせぇよ!」

結局15分ほど待たされた睡骨は噛み付くようにホナミに不満を言う。

「はいはいゴメンなさいね、ちょっと準備してたのよ」

「準備ぃ?何の?」

「花見に行くまで内緒〜」

ホナミは半透明のビニール袋を腕にかけて飄々と笑う。外灯に二人の影が照らし出され、遠くで車が走る音がする以外、何の音もしない。

離れていた二つの影は、次第に近付き遂には一つになる。
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