拍手置き場

□第二回拍手小説
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「いいじゃねぇか、葉桜は葉桜で綺麗だしよ」

相変わらずマイペースな言葉が単調に返ってくる。どうやら彼は花見に行くという提案を撤回する気はないらしい。

「もー…今どこにいるのよ?」

睡骨の根気に負けたホナミはメールで相手の所在を聞いた。これから着替えて化粧をして、何か手土産でもコンビニで見繕うというプロセスを踏むのにどれだけ時間があるのか。

「ん?お前の家の目の前だけど?」

「はぁ?!」

睡骨のメールに、ホナミは目を見開いて携帯を片手にもったまま窓際まで走り寄る。すると彼のメール通り、睡骨がホナミの姿を見つけて携帯を振っているのが見えた。

「おーいホナミ!早くしろよー!!」

「ばっ馬鹿睡骨!大声出さないでよっ!ちょっと待って!着替えて化粧したいから」

「あぁ?いらねぇよそんなん、スッピンでいいだろーが!その格好のまま来い!」

「ばっ…馬っ鹿じゃないの?!そんなんできるか!」

「10分だ!10分で降りて来なかったら、部屋に押し入るからな!!」
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