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□【同窓会5】
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「母さ〜ん、ただいま」


久しぶりの我が家。
玄関を開けると、母さんがスリッパをパタパタと鳴らしながら迎えてくれた。


「おかえり、ツっくん!みんなも久しぶりね」


母さんはにっこりと笑って、オレたちを見回す。
そして、ふとある一点で母さんの視線が止まる。


「まぁ、ランボちゃんにリボーンくん!」


それはもちろん、イタリア人さながら、逞しく育ったちびっ子たちで。
ランボも久しぶりに母さんに会えたことが嬉しいやら、気恥ずかしいやらで、早い話が少し緊張しているようだった。
昔は何も気にせずに、母さんに甘えていたのだが、今はボンゴレの守護者という立場。
部下だって見ているし、そういうワケにはいかないのだろう。


「おかえりなさい」


そのとき、母さんの後ろから可愛らしい女の子の声がした。
ひょっこりと顔を出したのは……。


「ツナさん、お久しぶりです。ランボも」


イーピンだった。
彼女には万が一のことを考えて、日本に残ってもらったのだ。
十年という月日は、彼女を美しく成長させていた。


「イーピン!久しぶり!」


イーピンを見た途端、ランボは十八歳の少年に戻り、幼なじみに抱きついた。
部下がいることも、何もかも忘れて。


「うん!元気そうで良かったわ」


そんなランボに対して、イーピンはくすりと小さく笑うと、ランボの背中を優しく叩く。
それはまるで、母親が赤ん坊をあやすように見えた。


「手紙にもそう書いてたでしょ?」
「そうだったわね。ランボったら誤字脱字だらけなんだもの」
「うるさいなー」


どうやら、この二人。
頻繁に手紙のやりとりをしていたらしい。
ランボも、何年も一緒にいた幼なじみと離れることになって、寂しかったのだろう。


「さあさあ、みんな。とりあえず上がってちょうだい。お茶でも淹れるわね」
「うん。ありがとう、母さん」


そうして、オレたちは久しぶりの我が家を満喫したんだ。






「そういえば、ツっくん。後ろの人たちは、お友達か何か?」
「ああ、母さん。紹介するよ。部下のカルロとロベルト、そしてルカだよ」
「まぁ、そうなの。じゃあ、お買い物してこなくっちゃ」
「ふーん。じゃあ、誰か荷物持ちね」
「「「…………はい、ボス」」」

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