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□【チョコレート】
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「ボス……いる?」
肌に心地いい風が吹く、午後。
ドアをちょっぴり開け、顔を覗かせたのはいつもは大人しいクロームで。
そんな彼女の顔は何やら少しだけ嬉しそうだった。
「どうしたの?クローム」
綱吉は愛しそうな眼差しを向けながら、彼女に微笑む。
「あのね……コレ……」
彼女がオズオズと差し出したのは、彼女の大好物の麦チョコ。
しばらくそれを見つめ、どうしてクロームがコレをくれるのだろうかと綱吉は考える。
今日は別に誕生日でもないし、まさか骸?
いや、でもそんな感じはしないし。オレの超直感もそう言ってる。
明らかに。これはクローム自身からの贈り物。
……ん?そういえば……。
綱吉は机の上のカレンダーを見た。
そして、合点がいったといったように頷いた。
「ありがとう。大事に食べるね」
イタリア男顔負けの誰もを蕩けさせる微笑をひとつ。
「うん!」
そう、本日はバレンタインデー。
守護者唯一の女の子は大事にしなくっちゃね!
その後、チョコレートを持った骸が乱入してくるのはまた別のお話。