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□【イタリアの空】
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【イタリアの空】
今朝のイタリアの空は隅々まで晴れわたり、風も気持ち良い。
そうなると、自然と綱吉を何処かへ出掛けたい気持ちにさせてしまうのも無理ないだろう。
「あ〜気持ち良いなぁ……それなのに……」
綱吉はちらりと手元にある紙を見つめた。
これが、さっきから彼の頭を悩ませているモノ。元凶ともいうべきモノ。
「……いい加減にしてくれないかなぁ、ホントに」
扉の外が、何やら騒がしくなってきた。それは、いつもの恒例行事のように某守護者のダイナマイトの音で始まる。
そう。まるで祭の合図である、花火のように。
「……あ〜!!もう考えるのやめ!!ジェラートでも食べに行こ!!」
爆発音とともに、堪忍袋の緒が切れたらしい我らがボス、沢田綱吉は窓枠に足をかけ、勢いよく外に飛び出した。
その場に残ったのは、彼がさっき見つめていた紙切れ一枚。
内容はもちろん、屋敷の“修理費”。
その上には彼が昔では、到底書ききれなかったであろう、綺麗なイタリア語で、殴り書きがしてあった。
“しばらく帰りません”
それを見つけた守護者達により、ボスおいかけっこが始まるのは、想像に難くない。