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□【ふかふか】
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【ふかふか】
それは突然の雨だった。
おれはちょうど、息抜きという名の脱走の途中で、当然軽装。
傘なんて持っている筈もなく、びしょぬれになってしまった。
「あ〜、ベトベトするなぁ……」
身体からは雨特有のにおいがし、おれは軽く眉をしかめる。
此処はボンゴレのシマのとあるカフェ。
とは言っても、店の主人はおれがボンゴレ10代目なんてことは知らない。
まぁ、あの怖い家庭教師が来てから10年の月日が経ったわけだけれど、見た目は母親の血のせいか全く変わらないから、それも仕方ないのかもしれない。
どう見てもまだまだ学生に見られる童顔に、あまり伸びなかった身長。
唯一、伸びたのは後ろでひとつに括っている髪の毛。
おれとしてはさっさと切りたいんだけど、周りが許してくれない。
その髪の毛も、今は雨水を吸ってやや重たい。
「だいたい、ちょっと過保護すぎるんだよ……」
おれはさっきまでの光景を思い出し、重くなった髪を絞りながら、ため息を吐く。
大勢の部下を伴って、おれを追いかける守護者たち。
嵐の守護者にいたっては半泣きだった。
本当に久しぶりに死ぬ気で逃げたね!
雲や霧の守護者は容赦がないしね!!
……まぁ、その結果がコレなわけだけど。
「でも、こんなことになるんだったら素直に捕まっとけば良かったかなぁ」