Text[いちラキ]
□【兄弟】
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「虹!ちょっと調べたいことがあるんだけど」
『おう、灯二!珍しいな!』
「うん、兄弟って調べてくんねぇ?」
『わかった!兄弟だな!まかせろ』
虹はそう言うと、器用に口を使って電子辞書で検索する。
灯二はそれを見て、虹は賢いなぁと変に感心していた。
『あったぞ!これだな!』
すぐに目的のものは見つかり、灯二は虹と一緒に電子辞書を覗き込む。
「……ん〜、やっぱり書いてないか」
じぃっと無言のまま、文を一通り読み、灯二は頬を軽く掻きながらぼやく。
『どうしたんだ?』
それをすぐに聞きとがめた虹は彼に訊ねる。何の気なしに。
「いや、兄弟って一緒にねるものなんかな〜って思ってさ」
『なるほどな!じゃあ千鋃に訊いてみたらどうだ?案外知ってるかもしれないぜ!』
それを聞き、確かにあいつ非常識だけど、意外と物知りだったりするしな〜と、灯二は思った。
「ありがとな!んじゃ、千艸のとこに行ってみる!」
『おう!頑張れよ!』
虹に礼を言って、今度は千艸のところに行くことにした。
彼ならさっき、羅貫に抱きついて成重から怒られてたはずだ。
それも日常の光景になりつつあり、警備隊のみんなも大分慣れてきた。
「千艸って相変わらず羅貫マニアだよな〜」
その様子を思い出し、灯二はくすりと笑みを浮かべた。
そのすぐ後ろに千艸がいるとは思
わずに。