〜水の都の護神と青き流星〜(番外小説)

□プロローグ
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〜水の都の護神と青き流星〜



反転世界(破れた世界)


ノア「よく来たな…ミーティア。」
ミーティア「用件は何だ?」
ノア「これを見てくれ。」

ノアは空間を鏡面化して『ある街』を映した。

ミーティア「この街は一体?」
ノア「この街は…『アルトマーレ』だ。」
ミーティア「アルトマーレ…?」
ノア「そうだ。『世界一美しい街』と呼ばれ、『ラティオスとラティアス』が『護神』として祭られている。」
ミーティア「…ラティオスとラティアスが護神…? 同じ種族として一度は行ってみたい所だな。」
ノア「だが、このアルトマーレで今、『不穏な動き』がある。」
ミーティア「不穏な動き…?」
ノア「ロケットパイレーツ…その集団は実は『ロケット団』と呼ばれる集団の1つの集団でしかないというのは知っているか?」
ミーティア「何だと…!?」
ノア「そうか…、そのロケット団は、近い内、このアルトマーレを襲撃するという情報を手に入れた。」
ミーティア「何!?」
ノア「目的は恐らく…、『護神』の捕獲と共に祭られている『心の雫』の奪取だろう…。」
ミーティア「そんな事が…!!」
ノア「更に、今現在、『護神』はたったの1人しかいないのだ。」
ミーティア「? どういう事だ?!」
ノア「このアルトマーレはラティオスとラティアスの『兄妹』が護神として護っていた…。」
ミーティア「兄妹…。」
ノア「だが、随分前だがアルトマーレを襲った事件で兄…ラティオスは命を落とし、心の雫になっているという。」
ミーティア「!? 心の雫に…!? ハッ、それは即ち…妹のラティアス1人しか護神は居ないのか…?!」
ノア「だが、ラティオスとラティアス自体はそんなに少なくはない…。恐らく、『選ばれしラティオスとラティアス』が護神をしているだろう…。」
ミーティア「…………」
ノア「因みに、前の心の雫は、『邪悪な者』が触り、消滅した。」
ミーティア「!?」
ノア「心の雫の消滅…。それは即ち、『アルトマーレの滅亡』を意味する。」
ミーティア「……………」
ノア「引き受けてくれるな? ミーティア。」
ミーティア「ああ…引き受けよう…。」
ノア「そうか…なら、『準備』をしよう。」
ミーティア「準備?」
ノア「先ずは身に付けている物を全て取ってくれないか?」
ミーティア「…ああ、分かった。」

ミーティアは身に付けている物全てを取った。

ノア「次に、『人間』に変身してみろ。」
ミーティア「人間に変身…?」
ノア「そうだ。ラティオスとラティアスには透明化能力の他に、人間に変身する能力を持つ。しかし、体温が人間より低い為、サーモグラフィティを使えば簡単に見つかってしまう。」
ミーティア「なら…それを防ぐ方法が有るのか?」
ノア「ああ、早速変身してくれないか?」
ミーティア「…どう変身すればいい?」
ノア「イメージを作れ。」
ミーティア「イメージ…? 俺の人間の状態のイメージか?」
ノア「そうだ。」
ミーティア「イメージか…。」

ミーティアは目を瞑り、イメージを作った。

ミーティア「………………………………………………………………………………………………………ああ、イメージが出来た。『変身』!!」

ミーティアは人間の姿に変身した。

ノア「おお…!!」
ミーティア「これが…人間の姿か…。」

ミーティアが変身した人間の姿は、髪は肩下まである青色の髪(モミアゲはラティオスの耳の様に上げられており、『人間の耳』は髪に隠されて殆ど見えない)で、前髪は短め。

目は変身前と同じ鋭い真紅の目。

身長は180cm強(ラティオスの身長は200cm)もあり、服装は前側は白く、背中側は青い長袖のTシャツに黒のジャケット(ラオが着ていた物と殆ど同じ様なジャケットである)、青いジーンズを着ている。

両手には指の第2間接までしか覆わない黒い手袋をし、その手袋の甲部分にはカバーを掛けた心の雫があり(変身前に手袋を取った為、実際には空っぽである)、右腕の前腕部には、変身前と同じハンドノートパソコン(変身前に取ったが使える)がある。

更に、身体的特徴に左目の下と右肩、そして胸に変身前と同じ傷痕を持っている。

周りからすればかなりのイケメンである。

但し、ミーティアの年齢は『17歳』である事をお忘れなく。

ノア「なら…これを。」

ノアは小さな箱と2つの謎の男物のポーチをミーティアに手渡した。

ミーティア「これは…?」

ミーティアはその箱を開けた。

ミーティア「…コンタクトレンズ…?」
ノア「只のコンタクトレンズではない。それを付けるとラティオス、ラティアスの変身能力が完全になる。」
ミーティア「成る程な…。」
ノア「更に、お前のサイコパワーを抑え、目の色も黒になる。」
ミーティア「レンズ自体が緑色だから光の関係で黒になるのか…。だが、サイコパワーを抑えたらな…。(このコンタクトレンズ二枚にどれだけの技術力が積まれているんだ?)」
ノア「抑えられているとはいえ、お前のサイコパワーは『普通のエスパータイプのポケモン』を軽く超えている。」
ミーティア「そういうものなのか…?」
ノア「…やむを得ん場合はレンズを取り外し、破壊しろ。」
ミーティア「(壊して良いのか…?)………分かった。」

ミーティアはコンタクトレンズを付けた。

すると真紅の目は漆黒の目に変わった。

ノア「後、そのポーチの中には、後々便利になろう物が入っている。 後で確めてくれ。」
ミーティア「分かった。」

ミーティアはその2つポーチを両腰に付けた。

ノア「準備は出来た様だな。」
ミーティア「ああ。」
ノア「なら、此処を通れ。」

ノアは空間を鏡面化して『ある所』を指示した。

ミーティア「…船? 此処は一体?」
ノア「『ホウエン』と呼ばれる地方のある船着き場だ。」
ミーティア「何故直接ではない?……いや、そういう事か。直接行って怪しまれない為の処置か。」
ノア「そうだ。既にチケットは既に用意してある。」

ノアはミーティアにチケットを手渡した。

ノア「だが…奇跡的だな。」
ミーティア「何がだ?」
ノア「ホウエン地方からアルトマーレ行きの船は相当無い筈だが…。」
ミーティア「そういうものなのか…。」
ノア「ああ、それと、人間のポケモンは戦った場合、必ず戦闘不能にしかさせるな。『それ以上』はダメだ。例えロケット団のポケモンであろうとな…。」
ミーティア「…何を言っている? 俺の性格を知っていればそんな事は別にいい。」
ノア「ああ、そうだったな…。それと、ラティアスは時々人間の姿で街中を歩き回っているらしいが、喋る事が出来ない。」
ミーティア「そうか、見た目は人間でも中身はラティアスのままからか。」
ノア「その通りだ。」
ミーティア「では、行くか…アルトマーレに。……所でノア…。」
ノア「何だ?」
ミーティア「何故この依頼を俺に?」
ノア「それはお前と同じ種族のポケモンが護っている所を、破壊されては心が痛むからな。」
ミーティア「フッ、どうも。」

ミーティアは鏡面化した空間を通り、ホウエンの船着き場にワープした。

ノア「…頼んだぞ…、ミーティア…。」


プロローグ終了
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