蒼穹の日々(その他小説)

□第2話 再会と出会(たたかい)
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第2話 再会と出会(たたかい)



エーシア高校第2分校正門前


龍星達新一年生は第2分校に来ていた。
何故なら、今年の歓迎会は第2分校で(交互で)行うからだ。

光牙「此処が第2分校か…。」
龍星「そうだな。」
光牙「さて…何処に居るのか…。」

光牙は第2分校の窓を舐め回す様に見た。

龍星「焦りは禁物だ。どうせ出会えるからな。」
光牙「フッ、そうだな。」
理玖珠「第2分校の生徒先生諸君、聞こえるか?!」
FK「我らフィールドクr───」
龍星「『シャドーボール』!!」
光牙「『燕返し』!!」

龍星はFKをシャドーボールで吹っ飛ばし、更に光牙の自らが生み出す超スピードを生かした燕返しでFKに畳み掛けた。

FK「ぐああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

FK戦闘不能

龍星「黙れバカども。」
光牙「取り敢えず行くぞ!!」
龍星「ああ…すまない。」

何故か光牙にキレられた龍星であった。


4F

1-A


生徒「これは…!! なんて力だ?!」
?????「コイツァ…!! スゲェな…っ!!」
生徒「ハッ!?」
?????「おもしれぇ…!! あのラティオスとスピアー…!! 久し振りに楽しめそうだな…!!」
?????「はいはい。黙ってろ。」

龍星と光牙の戦いを見て、意気がるハッサム(♂)と、それをたしなめるアーマルド(♂)が居た。

?????「! 菫美(すみれび)(エーフィ♀)ちゃん! 窓の外を見てくれ!」

エルレイドに菫美と呼ばれたエーフィ(♀)は窓の外を見た。

菫美「えっ…!?……あ!!」

菫美は、第2分校の校庭にいる第1分校の生徒達の中にいる『ある人』を見付けた途端、走り出してしまった。

?????「ちょっ!?………ハァ…。ま、僕も会いたかったし、行きますか。」

そう言ってエルレイド…青崎零(れい)は菫美の後を追った。

先生「歓迎会は校庭で行います。」
光牙「あ、そ。」
先生「…………」
龍星「さて、此処にはどんな奴が…ん?」

龍星は何かを感じ、校舎の玄関の方を見た。

龍星「……! こう…───」

龍星は玄関から出てきた者の姿を捉え、何故か光牙の名前を言おうとしたその瞬間、

シュン…ッ!!

その者は玄関から一気に龍星の側を駆け抜けた。

龍星「なっ…?!」
光牙「どう───」

光牙は龍星に名前を言われた気がしたので返事をしようとしたその瞬間、

ガシッ!!

光牙「のわっ!?」

光牙は何かに捕まれ、そのまま倒れた。

光牙「ぐあっ!!」
龍星「…………」

龍星は敢えて言わなかった…いや、何も言わなかった。何故なら、

菫美「こうが〜! 会いたかったよ〜!!」
光牙「この声……Σはわっ?!//// 菫美!?////」
菫美「うううう…!!」
光牙「この状態は…!!//// まずい……っておい!! 何笑ってるんだ龍星!!」
龍星「いや、『恋人同士の再会』を見てたら思わず微笑むたくなるだろ?」
光牙「てっ…テメェ!!!!//////」
菫美「光牙〜…!!」
光牙「ハァ…。//////」
零「久し振りだな龍星。」
龍星「ん? その声…零か。」零「僕達とは『小6の夏以来』で、光牙とは『小学校卒業以来』だね。」
龍星「ああ…もうそんなにか…。」

龍星の放ったその言葉には、『妙な含み』が入っていた。

零「所で、水亞ちゃんは元気にしてるかい?」
龍星「フッ、そんな当たり前な事、…まあ、元気さ。」
零「そうか……あれ? 第2ボタン、他のと違うけど、誰かにあげたのかい?」

零は『龍星が第2ボタンを誰かにあげた』という事に驚いていた。

龍星「ん? ああ、中学の卒業の時、女子が男の第2ボタンを貰おうとしていたからな。取り敢えず水亞にあげたら喜んでいたな。何でだ?」
零「(ああ…、そういう所も変わってないね…龍星…。)」
龍星「?????」
菫美「こうがぁ〜!!」
光牙「//////(再会出来たのはスゲェ嬉しいが、この状態のままかよ…。////)」
?????「おいコラ! 俺を無視すんじゃねぇ!!」
龍星「お前は!?」
零「龍星!! コイツは駿河紅剣(ぐけん)!! 『レッドセイバー』と呼ばれている!!」
紅剣「そういうこった!!」
龍星「…何の様だ?」
紅剣「お前と其処のスピアー。かなりの腕を持ってそうじゃねぇか。此処は1つ、俺『達』とダブルバトルをしようじゃあねぇか!!」
?????「…Σって俺もかよ!?」

紅剣と同じ中学校の制服を着たアーマルド…凪沢灰義は巻き込まれた。

灰義「チッ、この…!! どうせお前が暴れまわって俺の出番は無しって事だろ?」
紅剣「いや…コイツらはそう簡単にはいかなそうだな。」
灰義「…えっ!? 何?!」
紅剣「久々に身体が疼いてきたぜ…!!」
灰義「(あの紅剣があんな事を言った…?! 何なんだコイツ等は…!? 只者ではなさそうだな…!!)」
紅剣「行くぜ!!」
灰義「チッ、やるか!!」
光牙「来るぞ龍星!!」
龍星「分かっている!」
紅剣「『シザークロス』!!」
灰義「『ストーンエッジ』!!」
龍星「ん!!」
光牙「おっと!!」

龍星と光牙は攻撃を避けた。

紅剣「その程度!!」
灰義「! 速い?!」

紅剣は構わず戦うが、灰義は2人(特に光牙の)の速さに驚いていた。

灰義「(あのスピアー…何なんだ…!? あの速さは一体…?!)」
光牙「ん? アイツ…。」

光牙は灰義に狙いを定めた。

光牙&灰義「『燕返し』!!」

紅剣「ハッ!! 結局シングルバトルになったな!!」
龍星「キサマのその下らない自信とプライドを粉々に砕かせる!! 『シャドーボール』!!」
紅剣「!」

紅剣はシャドーボールの直撃を受けた。

龍星「『10万ボル…!?」

龍星は畳み掛けの10万ボルトを仕掛けようとしたが、驚愕して攻撃を止めてしまった。

紅剣「フゥ〜…結構なこった。」
龍星「クッ…!!」

紅剣は全くダメージを受けていなかった。

紅剣「(だが…今の一撃で左肘が軽くイカれたぜ…!! 何て奴だ…!!)」

ダメージを受けていないのはどうやら表面上の事であり、身体の中にダメージが来ている様だ。

紅剣「そうでなきゃ面白くねぇっ!!」
龍星「なら、『希望という絶望』を貴様に見せてやる…!!」
紅剣「希望という絶望…?! 意味が可笑しくねぇか…?!」
龍星「可笑しい…? いや、『俺にとっては希望』、『貴様にとっては絶望』。そういう事だ。」
紅剣「そんな下らねぇ決め台詞!!」
龍星「決め台詞…? 確かにそうだな。」
紅剣「! 何度も言ってんのかよ?!」
龍星「? どの辺りでその言葉が出るのか分からないが、確かに何度も言っている。」
紅剣「ハッ!! 何度も言っている言葉に力など!! 『神速』!!」

スッ…!!

龍星「!」
紅剣「『シザークロス』!!」

紅剣は龍星の死角から攻撃を加えた。
だが、

龍星「そんな攻撃など!!」

スッ…!!

龍星は紅剣の攻撃を簡単にかわした。

紅剣「やるじゃねぇか!! 『普通の奴』だったら直撃当てれたぜ!!」
龍星「フッ…それは…どうも!!」
紅剣「お前みたいな奴は生まれて初めて見たぜ!!」


灰義「スゲェ…!! あんな紅剣初めて見たぜ…!!」
光牙「何処を見ている!!」
灰義「そうだったな…!! 『岩雪崩』!!」
光牙「『シザークロス』!!」

ズシャ…!!

光牙のシザークロスは灰義の岩雪崩を破壊した。

灰義「嘘…だろ…?!」
光牙「俺は攻撃力は多少ながら自信はある! それに俺の最強の武器『素早さ』を合わせた攻撃は、一撃必殺に近くなる!!」
灰義「ふ…ふざけんな!! そんな馬鹿げた話があって───」
光牙「此処に居るじゃないか。『俺』がな。」
灰義「この…!!」

菫美「光牙…。」
生徒「スゲェ!!」
生徒「あ…あの灰義を…!! なんて奴だ!!」
生徒「此方はもっとスゲェぜ!!」

紅剣「『瓦割り』!!」
龍星「クッ…!!」

龍星は紅剣の攻撃をかわした。

紅剣「うらぁっ!!」
龍星「ぐあっ!!」

龍星は紅剣の攻撃をかわし切れずに受けた。

紅剣「チッ、上手く受け流したか。」
龍星「フッ、それは…どうも!!」

龍星は何故か紅剣に真っ直ぐ突撃した。

紅剣「そんな単調な動き!! 『辻斬り』!!」

紅剣はそんな龍星に攻撃した。

だが、

スッ…!!

紅剣「なっ!?」

龍星は紅剣の攻撃を受ける直前に『消えた』。

紅剣「クソッ!! 何処に逃げ───」
龍星「此処だ…!!」
紅剣「!?」

龍星は紅剣の直ぐ後ろにいた。

紅剣「そこ…?!」
龍星「『チャージビーム』!!」
紅剣「があっ!!」

紅剣は龍星の攻撃を背後からまともに受けた。

龍星「ハァ…ハァ…ハァ…クッ…!! こんな…何時まで…!!」
紅剣「ぐっ…!! うっ…!! コイツ…!! なんて強さだ…!!」
龍星と紅剣は激しい動きを数十分に渡って闘っている為、疲労が受けたダメージに響き、身体が思うように動かなかった。

紅剣「ゼェ…ゼェ…ゼェ…クソッ…!! この俺を…ゼェ…ゼェ…此処まで…ゼェ…追い詰めるとはァ…!!」
龍星「クッ…!! 流石に此処までやるとは思ってはいなかった…。」

受けたダメージが紅剣に比べて比較的軽い龍星は未だ普通に喋れた。

紅剣「このままじゃ…埒が明かねぇ…!! 一気に決める…!!」
龍星「やはり…そう来るか…!!」

龍星と紅剣は機械の身体だったらギシギシという音が出そうな身体を無理矢理動かし、それぞれの利き手に出来る限りの力を溜めた。

紅剣「龍星…と言ったな…。」
龍星「何だ?」
紅剣「この16年間生きて来た中で最高の時間だったぜ。」
龍星「そりゃ…どうも。」
紅剣「このまま終わるのは惜しいが、悔いの残らない終わり方にしてやる。」
龍星「そうか…じゃ…」
紅剣「『メタルクロー』!!」
龍星「『ドラゴンクロー』!!」

龍星と紅剣は力を振り絞り、そして…

ザン…ッ!!

龍星と紅剣は擦れ違った。

龍星「………………」
紅剣「………………」
皆「…………………」

暫くの沈黙。

紅剣「がっ…あっ…!!」

暫くの沈黙を破り、紅剣は力無く倒れた。

龍星「……終わった…か…。」

龍星はそう言うと紅剣の所に向かった。

龍星「…大丈夫か?」
紅剣「……正直…此処までとは思って無かったぜ…。」

紅剣はうつぶせから仰向けに体を動かしてからそう言った。

龍星「それは俺もだ。」

灰義「……マジで?!」
光牙「マジらしいな。」
灰義「……………」
光牙「隙有り!! 『燕返し』!!」
灰義「えっ?!…ギャアアアアアアア!!?」
龍星&紅剣「…………(汗」

何だかんだで歓迎会は終了した。(えー

龍星と光牙、紅剣と灰義は家に帰って直ぐにベット(布団)に直行したというのは言うまでもない。


翌週の月曜日(歓迎会が金曜だった為、体力は殆ど回復した)

男子「歓迎会の時の龍星、凄くカッコ良かったぜ!!」
龍星「それはどうも。」
光牙「なあ、突然だが『転校生』が来るらしいぜ?」
皆「えっ…?!」
龍星「この時期にいきなりか…。………いや、待てよ…?」

何だかとんでもない事が起きる。龍星はそう感じた。
そして…


校庭


校長「えー、『第2分校』から新しい生徒が『4人』転校しました。」
一年生「───!?」
校長「この生徒達です。」

校長は『4人の転校生』を呼び、その転校生達は生徒達の前に立った。

菫美「葵菫美です。」
零「青崎零です。」
灰義「凪沢灰義です。」

そして…

紅剣「俺は駿河紅剣だ!! 野郎共!! これから宜しくな!!」
灰義「…明らか引いてるけどな。」

他の3人は丁寧に挨拶したが、紅剣だけは自己流の挨拶をした。
その紅剣を見た者達の中には、唖然とする者(一年生達)、恐怖を感じる者(紅剣の噂を聞いた者達)、頭を抱える者(紅剣と同じ中学校の生徒達)等、様々な反応を見せた。

龍星「………………」

一年生達は歓迎会の事を知っている為、皆龍星を見ていた。

光牙「コイツぁ…スゲェ事になりそうだな…龍星…。」

そう言っている光牙の顔は引きつっていた。

龍星「……ああ……」

龍星は光牙の問いにただ力無く言った。

だが、この集結がこれから始まる『大事件』の始まりを告げる出来事だとは誰も気付かない…。



第2話 再会と出合(たたかい)終了

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