本編小説

□第3、9話
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第3、9話



レイとバグーは一騎討ちを行った。

レイ「…………………」
バグー「…………………」

ブシュ!

レイ「!」

レイの出血は左腕の二の腕を少し傷付いただけだった。
レイ「えっ…!?」
バグー「フッ…」

ブシャッ!!

バグーの出血は酷く、左肩の辺りから右腰の辺りから吹き出した。

マーク「バグー!?」
バグー「ヘヘッ…俺の…敗けだ…ぜ…レイ……」

バタッ…!!

バグーは力無く倒れた。

マーク「ばっ…バグウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!

マークはバグーの側に駆け寄った。

マーク「バグー!! バグー!!……ううっ…どうして…バグー!!」
ドドン「なっ…!?」
レイ「あ………」
ラスター「…レイ…。」
マーク「バグー!! バグー!!」
バグー「うるせえよ黒クラゲ!!」

と言いながらムクッと起き上がるバグー。

皆「!?」
マーク「ば…バグー!!(泣」

マークは泣きながらバグーにしがみついた。

バグー「は…離せよ黒クラゲ!!;;」
マーク「バグー!! バグー!! バグー!! うううっ…良かったぁ……!!(泣」
バグー「レイ、どうせ『峰打ち』をしたんだろ?」

とマークを引き剥がしながらバグーは言った。

レイ「……………;;」
バグー「ん? どうした?」
レイ「いや…マジだったかも…。;;」
バグー「ああ…んじゃ俺は頑丈過ぎって事か。;;」
ラスター「…サラッと…言える…のか…?」
バグー「ハハッ、まあ…そうだな。」

バグーは頭を掻きながら言った。

レイ「…………」
バグー「ん? なんだその『言え』って目は?………まあ、言うべきだろうな…。俺の『過去』をな…。」

ドドン「!?」
マーク「…え?」

バグーは何故か仰向けに倒れた。

バグー「あれは…10年前の6月、『バーストレイン』終了2日前の事だった…。」

バグーは押し込めた過去を淡々と話始めた。

因みにバーストレインとはポケシャラ独特の気候であり、毎年6月になると丸一ヶ月は大雨の天候が続く事から名付けられた。

バグー「当時12歳でマグマラシだった俺は親父とお袋とまだ1歳の妹と一緒に暮らしていた。………だが、その日、『奴』が俺達の村を襲った。」
レイ「奴…?」
バグー「奴は人間の雄で、妙なロボットに乗って…いや、操縦して村を襲った!」
皆「!?」
バグー「奴は…ああ、『キラ・ジェネラル』と名乗って、村の住民を全員殺戮した! 子供だろうが老人だろうが殺した! 徹底的にな!!」

バグーは右手を上げ、握り締めた。

マーク「あ…ああ…!!」
レイ「そんな事が…!?」
バグー「しかもキラは、何故か『小さな女の子』を狙っていた。」
ラスター「…何!?」
バグー「理由は多分、『カン高い声』を聴きたくて狙い、殺している!! 間違いない!! 絶対そうだ!! そうに違いない!!……ああ、そうか、だから俺は『ロリコン』が嫌いなのか……ごめん、話がズレた。」
ドドン「バグー…」
バグー「ん? なんだ?」
ドドン「何故そんなに憶えているんだ? まあ、何も分からないが。」
バグー「ああ…俺は『絶対記憶能力』を持っている。だから『タマゴから生まれた時の景色も憶えている』。まあ、話を戻そう。……お袋は俺と妹を逃がそうと、親父は村人を守ろうとキラに立ち向かった。……だが、結局2人ともキラに殺され、村人もほぼ全滅。遂には俺と妹を追い掛けた。」

回想


バグー(マグマラシ♂)(12歳)『ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…クッ!!』

バグーは未だ幼い妹を抱え、バーストレインの中を走っていた。

マム(ヒノアラシ♀)(2歳)『おにいちゃん…。』
バグー『大丈夫。絶対アイツから逃げ切って見せる!!』

ズシャッ!!

バグー『!?』
キラ『この俺から逃げる事は出来はしない!!』
バグー『チッ!!』
キラ『死ね!!』
バグー『当たるか!!』

バグーはキラが操縦するロボット(コード〇アスのナ〇トメアフ〇ームに似ている)の攻撃を避けた。

キラ『何ッ!? だが!!』

キラはロボットの指先でバグーに斬り付けた。

バグー『グハッ!?』

背中を斬られたバグーはマムは放し、そのまま転がった。

バグー『ガッ…グッ…!!』
マム『ううっ……おにいちゃん!?』

バグーの背中の傷口からは雨で血が流れ出し、バグーの周りを紅く染めだした。

キラ『手間を取らせるな。だが…これで終わりだ!!』
ロボットは右腕を上げた。

マム『おにいちゃん!!』
バグー『(終わるのか…? こんな所で…こんな奴に……)嫌だ…ね…』
キラ『ん? 何を言った?』
バグー『俺はこんな所でお前みたいな奴に殺されるのがイヤって言ったんだよ!!』
キラ『何を戯れ言を!!』

ロボットは右腕をバグーに向けて振り降ろした。

バグー『……『フレイムウイング』!!』

バグーの背中から炎の翼が生えた。

マム『!?』
キラ『何!?』

たじろくキラ。

バグー『お前は…お前だけは絶対許さない!!』
キラ『た…戯言を!!』

だがキラの顔からは汗が滲み出ていて、口調は明らかに震えていた。

キラ『死に損ないの分際でッ!』
バグー『死に損ない…? お前ごときが命を変えられるかよ!!』
キラ『俺は『神』に等しい存在だ!! お前はその神を…』
バグー『だから、何?』
キラ『何だと!?』
バグー『このポケシャラを統治する『本当の神』はそんな人を…命を粗末にする様な、そんな腐った奴らじゃない!!』
キラ『煩いッッ!!!!
バグー『煩いのはお前だ!! それに…』

バグーはマムを見た。

バグー『俺の可愛い妹が大雨に打たれて可哀想だからさっさと終わらす!!』
キラ『戯れ言を!!』

スッ…

バグーは消えた。

キラ『!? 何処だ!?』
バグー『ヘェ…お前は其処か…』

バグーはコクピットの前にいた。

キラ『なっ!?』
バグー『『フレイムクロー』!!』
ザシュッ!!

バグーはコクピット前面を破壊した。

キラ『ぐっ…ぐあああああああああああああああああああああああああ!!!!』

キラの顔には『新たに』額の右端から左頬に掛けて傷が出来た。

キラ『憶えていろ!! 何時か必ずブッ殺す!!!

キラはそんな捨て台詞を吐いて逃亡した。

バグー『ヘッ!! おととい来やがれってんだ!!』
マム『おにいちゃん…。』
バグー『マム…終わらせた…ぜ…』
マム『!?』

バグーはマムを包み込む様に倒れた。

マム『おにいちゃん…?』
バグー『悪い…体が…』

バグーの背中の傷口から流れ出した血が少しずつマムを汚した。

バグー『…チッ、ごめん…マム…俺の血で…汚…して…』
マム『おにいちゃん…。』
?????『お…おい!? 大丈夫か!?』
バグー『…誰だ…?』
?????『私はドアル(バリアード♂)(当時30歳)。君達、こんな所で何をしてい…ハッ!? その傷は!?』
バグー『俺は…いい…それより…妹を…』
ドアル『それはダメだ。私は私設の託児所を持っている。それよりも早く病院へ!』

ドアルはバグーとマムを抱え、病院へ向かった。


回想終了


因みにバグーは何故か妹の名前を教えていない。

バグー「あの時、オッサンが居なかったら俺は多分死んでたな…。」
ラスター「…妹か…。」
バグー「ん?」
ラスター「…ああ…俺にも…妹が…いるから…な…。」
バグー「ああ、ごめん。一瞬でも疑って。」
ラスター「(…絶対…ロリコンだと…疑われてたな…。)」
バグー「まあいい…。そしてオッサンに預けられてからd年後…15歳になり、バクフーンに進化した俺は…妹とオッサン達を置いて…旅に出た…。」
マーク「そしてポケモン連合に入って俺達と出会ったよね♪」
バグー「ああ…そうだな。」
ドドン「で、これからどうする?」
バグー「まあ…エンペラー達は…大丈夫か。」
ラスター「(…エンペラー…『様』…は…?)」
バグー「もう戦う気力は無いから観戦しかする事ねぇぜ…。」

バグーはプラズマビームで氷の壁を溶かした。

バグー「さてと…ミーティア達が勝つか、ダークが勝つかでこの世界の運命が決まるっと。」

バグーは起き上がった。

レイ「運命が決まる…か…。」
ラスター「…ダーク…!!」




ミーティアを閉じ込め、『ラグナロク』の孵化が近いと感じたダークは、パルーギア山火口に向かった。



ラテツ「!? これは!?」

セイバー「この感じ…誰だ!?」

唯一パルーギア山に最も近い所に居るセイバーとラテツは、パルーギア山からただならぬ気を感じ(但し2人とも特殊な力を持っているから実際は『普通の者』が判るかどうかは分からない)、パルーギア山に向かった。


ラテツ「一体何が…?」
セイバー「知るかボケッ!!」
セイバー&ラテツ「……えっ!?」

セイバーとラテツは顔を合わせた。

ラテツ「お前は…何時かの!?」
セイバー「こんな所で出会うとはな…だが、」
ラテツ「今は下らない事をしてる暇は無いか…。」
セイバー「ああ、そうだな。」

セイバーとラテツはパルーギア山を見た。

ラテツ「…………来る!!」
セイバー「!」

パルーギア山火口から『ダーク』が出てきた。

ラテツ「!? あれは!?」
セイバー「まさか…ダーク!!」
ラテツ「何!?」
ダーク「……ん? あれは……ほう、大地神の子と…あれは…何だ…?」

ダークはセイバーは確認出来たが、ラテツは判らなかった。

ダーク「まあいい…敵である事は間違いない…。」

ダークはセイバーとラテツの所に向かった。

ラテツ「ちょっ!? こっち来た!! セイバー…!?」

セイバーの体は震えていた。

ラテツ「セイバー…?」
セイバー「気にするな、只の『武者震い』だ。」
ラテツ「(只の武者震いって…。;;;)」
セイバー「だが…ミーティアはどうした…?」
ラテツ「えっ?」
セイバー「とっくのとうにダーク何ぞ倒した筈だが…。」
ラテツ「(『倒す事前提』かよ…。;;;)」
セイバー「来たぜ?」
ラテツ「えっ!? マジ!?;;」

ラテツは構えた。

ダーク「ほう…これはな…。」
ラテツ「!? この威圧感…何なんだ…!?」
セイバー「ミーティアはどうしたコラ!?」
ダーク「フッ、ミーティアなら『閉じ込めた』。」
ラテツ「!?」
セイバー「何!?」
ダーク「…ん? そろそろか…。」
セイバー「何がだよ!!」
ダーク「フッ、パルーギア山火口を見よ。」

ダークはパルーギア山火口を指差した。

セイバー「あぁ!? 何だって…!? あれは!?」
ラテツ「蜘蛛…!?」

セイバーとラテツはパルーギア山火口から這い上がってくる『巨大な黒い蜘蛛』の様なものを見付けた。

セイバー「何だってんだよあれは!?」
ダーク「あれはラグナロク。このポケシャラを破壊し、新たなポケシャラを創る為の道具だ!!」
セイバー「何…!?」
ダーク「だが、ラグナロクの始動には『ライトエネルギー』が必要だった…。」
ラテツ「ライトエネルギー……ハッ!? まさかミーティアを使って!?」
セイバー「何!?」
ダーク「クックックックックッ…!! 確かにそうだ…。ミーティアが何も知らずに来てくれたお陰でラグナロクは始動し、ポケシャラはほr──」
セイバー「ざけんな!!
ラテツ&ダーク「!?」
セイバー「ミーティアはそんな簡単にやられる様な腑抜けた奴じゃねぇ!!」
ダーク「だが実際は…」
セイバー「黙れ消しカス!!」
ダーク「消しカス…だと…!?」
セイバー「じゃあさぁ…ミーティアが復活してテメェを倒すか、俺達がテメェを倒すか…掛けてみねぇか?」
ラテツ「だから何で倒す前提なんだよ!?」
セイバー「お前は黙って奴を倒せば良いんだよ…!!」
ラテツ「チッ、言われなくてもやるさ…。」
セイバー「んじゃ、行くぜ!!」
ラテツ「『ラスターパージランチャー』!!」
セイバー「『辻斬り』!!」
ダーク「!? ぐあっ!?」

ダークはセイバーの動きに付いていけず、攻撃を受けたが、ラテツの攻撃はギリギリで避けた。

ダーク「チッ!! 流石だな!!」
セイバー「おいおい!? さっさと当たって死ね!!」
ダーク「チッ、当たるか!!」
セイバー「なら…こうしてやる!! 『メタルクロー』!!」
ダーク「其処か!! 『ドラゴンクロー』!!」
セイバー「バーカ。」

スッ…

ダーク「!? ハッ!?」

セイバーはダークの目の前にいた。

セイバー「ヘッ、ミーティアより先に殴れるな!! 『メタルクロー』!!」
ダーク「ぐはっ!?」

顔面にセイバーのメタルクローを食らったダークは完全に怯んだ。

セイバー「今だ!!」
ラテツ「『バーストラスターパージランチャー』!!」
ダーク「ぐっ……ハッ!?」
セイバー「『回し蹴り』。」
ダーク「ガッ!?」

セイバーの攻撃を受けたダークはラテツのバーストラスターパージランチャーの直撃を食らった。

ダーク「パルルルルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

セイバー「呆気ねぇな…『邪神』の名が泣くぜ?」
ダーク「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…クソッ…!!」
セイバー「だが、あのラグナロクとかいう化け物。奴は一体何を…?」
ダーク「言った…筈だ…!! このポケシャラを…破壊する為に…あるとな…!!」
セイバー「へぇ…そうか…だが、『俺の仲間達』がそれを許すとでも思うか?」

セイバーはラグナロクの進行方向の先を見た。

其処にはダークエンド及びロケットパイレーツ以外のこのパルーギア山付近にいた全ての者達が集結していた。
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