#学園の間#

□第三話
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《じゃんけん×威圧感×勝利》


「次は学校案内か〜。一年生全員でゾロゾロ見学か。馬鹿みたいにはしゃいで五月蝿い同級生がいたら殴って良いと思う?」

「神無月さん。暴力ではなく説教だけにして下さい。一応、副学級委員なんですから。」

二時間目が終わり次の一年生全員参加の学校案内の為に千早達は体育館へ向かっていた。

「しかし、広い学校だよな〜。かすがちゃん達と一緒じゃなければ絶対に迷子になる自信があるんだが…かすがちゃん、服の袖掴んでて良い?」

かすがの許可が出ていないのに迷子になりたく無い千早と梢の二人の手は彼女の服をしっかりと掴んでしまっている。

「ウチの学校は高等部だけで体育館が4つもあるからな。今、儂達が向かっているのは昨日入学式があった第一体育館だ」

「何故にそんなに体育館が多い!?」

千早と梢が体育館の多さに驚いていると、

「神無月殿!我が婆娑羅学園はバレー部やサッカー部等の運動部が全国大会に出場する程の強豪ばかりなのです!その為、其々の運動部が練習に集中出来るようにと体育館やグランドが沢山あるのです!」

体育館だけで無くグランドも!?と幸村の発言にまた驚かされていると。

「HEY!真田、それも正しいが運動部が馬鹿みたいに多いって事を言い忘れてるぜ。ウチはバレー部だけで三つも四つもあるからな」

「えっ?そんなにあったら試合に出る時ってどうなるんですか?」

「篠原殿。その場合は試合に出る為の学校代表の試合が行われるのでござる!」

「学校代表を決める試合か〜。白熱した戦いだろうね」

楽しく会話をしながら歩いていたのであっと言う間に第一体育館に到着した。体育館の中に入れば昨日の入学式と同じで椅子が並んであり先に到着していた同級生達が椅子に座って話したりしている。千早達は自分のクラスの席に近づき、椅子に座って話しているクラスメートに、

「ねえねえ、席って出席番号順とかに座るとか先生から指示あった?」

「席は自由で良いらしいよ。あ!でも男女六人のグループを作って座れって言われたよ」

男女六人のグループを作れと聞いて千早と梢は迷わずかすがの手を取り。

「「かすがちゃんと一緒!!」」

「お前達は子供か!…まあ、私も一緒のグループで良い」

頬を紅くしながら言うかすがを見た千早達は心の中で良いのが見れたとガッツポーズをする。そして千早は今度は家康の肩に手を置き


「徳川君や仲良くグループにならないか?」

「おお!儂も仲間に入れてくれるのか助かるぞ」

これで四人。残り二人はと回りを見ていると伊達と真田の二人と目が合うが、

「さて、残り二人はどうするかね〜」

「Hey!神無月。俺達を無視するな!」

「神無月殿!某達も仲間に入れて下され!」

同じグループに入れて貰え無いかもしれないと思ったのか政宗と幸村の二人は千早に詰め寄る。

「え〜…。どうしようかな〜。アンタ達喧嘩するし暴れるし」

「NOOOOOOO !絶対に喧嘩もしないし暴れねえ!」

「某も政宗殿と喧嘩しないでござる!」

騒ぐ二人を無視するように遠くの方を見ている千早。そんな彼女の腕や腰に政宗達がしがみつく姿は同級生達の視線を集めてしまう。特に女子学生の視線は妬みや嫉妬等のどす黒いものが多い。

「本当だな。喧嘩したり暴れたりしたら確実に…消滅させるからな!」

最後の方の言葉はドスの効いた低い声で声から彼女の本気が分かり、政宗達と周りの同級生達も恐怖に震え上がるのだった。
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