今日の兄さん(2014年)

□12月1日
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ああ、また一週間が始まる。
土日が休みな仕事ではないが、昨日の日曜日が珍しく休みだったため、余計に雨降りな月曜日を意識した。
「おはよう、兄さん」
まだ横で毛布に包まっている塊に、アルフォンスは声をかけた。
「んー…ぉはよう…」
「眠そうだね」
「ダルいんだよ。誰かさんのせいで」
もぞもぞと顔を出したエドワードに、兄さんだってノッてたくせに、という言葉は飲み込んだ。
アルフォンスも自分のほうが夢中だったことは否めないのは理解している。
「仕事かー…今日は平和だといいなぁ…」
欠伸混じりのエドワードに、アルフォンスも無言で同意する。
軍人なんてヒマなのが一番だ。
もっとも、面倒な書類の山は無くなりはしないけれど。
「兄さん」
「んー?」
「早く帰れたら…ね?」
まだボンヤリしている兄の細い首筋に、唇を触れさせながら呟く。全て言わなくても察したエドワードが、その首筋まで真っ赤に染めた。
雨でも月曜日でも、こんな可愛い人と一緒なら悪くない。


終わり。

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