宝物殿

□四十八手
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買い物から帰ると、愛しい兄は留守で、リビングのローテーブルの上には花柄のソーサーが3客。
客が来ていたのだろうか。
夕ご飯の食材の入った袋をおろす。
テーブルの上には、そっと慎ましく本が置かれていた。
異国風の唐草文様の背表紙。
兄の本だろう。
錬金術師であるためか、ただの活字中毒なのか常に色んな本が家にある。
何の気もなく、その本を手に取る。

『実演 四十八手』

「………はい?………」
 
ナニ?何?なんで!?何でこんな本兄さんが持ってるの!?
…もしかして…ボク下手?ヘタなのっ?そんなことないよねっ!?(泣)
あんあんいってるもん!それとも正上位しかしたこと無かったから、…飽きた!?舐めようとしたり後ろからシようとしたら、
兄さん恥ずかしそうにイヤがるから可愛くて、堪らなくて、それでも無茶しなかったのに…
ホントはイロイロしてほしかったの?少し強引な方がヨかったの!?
ねぇ兄さん…どっちーーー!?
「…そんなの…決まってるよね…」
ハウツー本を買うぐらいだ。
しかも読めと、ばかりにリビングに置いてある。
本を手に少し考える。
 これからは…
「…手加減…しなくていいって事だね…」
  ふふっ
「でも勉強だけはしておこうっと…」
 ぱらぱらとページを捲る。
 わあ 
 こんな姿勢までするんだ。…兄さんは体柔らかいから楽勝だねv
 ふむふむ
 勉強になるなぁ…
 くすくす
「今晩が楽しみだ!」
****
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