今日の兄さん(2011年)
□12月3日
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『歪み』
朝違和感に目が覚めたら、兄さんが僕の股間を咥わえていた。
「…なにしてるんだよ、この変態」
不機嫌満載な声で言ってやったら、ビクッとして恐る恐るといったように上目遣いに僕を見た。口内に自身を含まれている僕は、たまったもんじゃない。
「…だって…アル、ちょっと勃ってたから…」
「仕方ないだろ、自然現象だもん。そんな理由で、勝手なことしていいのかよ」
「っ…ごめんなさい」
温かい兄さんの口から出された僕のものは、当然唾液で濡れていて光っている。
その脚の間でモジモジしている兄さんの可愛いものも、しっかり勃って先走りで光っていた。
「ちゃんと言ってからだろ、この淫乱兄」
「うっ…ごめっ…」
泣きそうな顔に、胸が痛む。
本当ならば、もっと大事にしてあげたい。甘い言葉をかけて、優しくしてあげたかった。
「ちゃんと言って」
「アルの…太くて固いものを舐めさせてください」
「いいよ」
その途端に満面の笑みで嬉しそうな顔になった兄を、複雑な気持ちで見た。
まるで、子供が菓子を与えられたように、アルフォンスの怒張に舌を這わせる。うっとりと、目を細めて味わっていた。
思いを告げたのは、ほんの半年前。
兄の性癖にアルフォンスが気づいたのが、それから一ヶ月もたった頃だ。
「変態…」
アルフォンスが罵れば罵るほど、悦びに体を震えさせるくらい、被虐の性癖を持っていた。
「アル…」
頬擦りするようにアルフォンスのものをいとおしんでいた。
色欲に支配されている兄の、虐げれば虐げるほど艶やかになる姿を見る。自らのものを擦りながら夢中になっている兄に、また言葉をかける。
「ダラダラ垂らして、汚いもので、僕を汚すなよ」
――愛してる…
「う、うん。ごめっ なさい…っ」
――愛してる…
こんなことでしか伝えられない自分たちは、罪を重ねることにもう躊躇いはなかった。
end