青と金のキセキ

□二人はナース!MaxHeart
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「エルリック先生!」
 ピラウの叫びで、トリアもエドワードに駆け寄る。
「ベッドに上げるから。ピラウ、そっち持って」
「いちにの、さんっ!」
 脈拍と呼吸を手早く調べて、合図しながらベッドに引き上げた。
「あら、軽い…」
「ほんと…」
 機械鎧も身につけてる男性だからと思っていたのに、総重量でそこらへんの女性くらいしかない。
「エルリック先生、ちゃんと食べてるのかしら」
 トリアの呟きは、この場にアルフォンスがいたら「いえ食べてません!」と即答しただろう。
 そんなことを言いながらも、てきぱき動いているナース二人。名前を呼びながら、ベルトを弛めたりしてエドワードの服をくつろげた。
「………」
「………」
「…プライバシーだから」
「そ、そうよね…」
 チラリと見えてしまった下着は、ナース二人が狼狽えるほど小さなものだった。いや、他の人間だったらスルーしていたってか意識もしなかったが、エドワードがこんな…というのが意外で。
「あれ、虫刺さ………」
「………」
 弛めた服の隙間から、二人にも見覚えのある小さな赤い跡が、肌理の細かい白い肌の上にチラチラと見える。
「プライベートのことは…」
「そうね…」
 気にしない、気にしない。
 二人の有能なナースは、一人は、一人は体温計を取りに、もう一人は彼の唯一の身内に連絡すべく内線に手を伸ばした。
 
 


(後編に続く)

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