夜想う曲―ノクターンを君に ―
□黄金色の…
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アルフォンスはなかなか料理が上手だ。
手際もいいので、エドワードはいつもそばで見ていたいと思う。
「兄さん、悪いんだけど、キッチン、チョロチョロしないで。なんか気が散っちゃって」
「見てたい…」
「ぶつかっても危ないし。リビングにいて?」
見てたいのに…と、プウッと膨れてリビングのほうへ行った。
ちゅん。
「ん?」
ちち…
「…兄さん」
小鳥の囀りがしたので、アルフォンスが振り向くと、空中に金色のスズメが飛んでた。
「…兄さん…そんなにしてまで…」
言わずもがな、エドワードの変幻した姿だ。
「ちゅん」
エドワードは一声鳴くと、そのままアルフォンスの肩へ留まった。
なんだか満足そうだ。
肩口から、アルフォンスの手元を覗いていた。
鍋をかき回すアルフォンスも、まあ邪魔にならないからいいか、と思っていたが。
鍋の蓋を閉め、次に開けたとき、ぶわっと熱気がアルフォンスとエドワードにかかった。
『熱っ!』
「ぢぢっ!!」
「あっ!」
アルフォンスの肩から足を滑らし、まっ逆さまへ煮えたぎる鍋へとダイビングするエドワード!
「ぢっ!!」
『ああっ!!』
コン☆
体に当たる固い衝撃。
「兄さん…だから危ないって言ってるでしょ!?」
「ちちっ…」
『…ごめんなさい』
「僕はビーフカレーを作ってるんで、チキンカレー作ってんじゃないんだからね!ちゃんと大人しくあっちに行ってて!」
「ちゅん…」
『はい…』
寸でのところを、アルフォンスのお玉で救われたエドワードは、そのカレー臭いままリビングへと飛んでいった。
end
この後、羽根についてたカレーでソファを汚して、また叱られる兄さん。(笑)
次は雛様のステキイラストと、おまけ駄文。