青と金のキセキ

□熱帯夜
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 少し腰を上げ、尻の間の窪みにアルフォンスの大きく育った肉杭をあてる。
「熱い…」
 灼熱の楔を、これから受け入れるのだと思うと、喜びに身悶えする。
 自分を最も熱くさせるそれを、ズブズブとその身に沈めていった。アルフォンスと繋がるために柔らかく溶けたそこは、浅ましく肉楔に絡み付く。
 腰を動かしてもいないのに、最奥が生き物になったように勝手に動いてしまうのを意識して、もっと恥ずかしくなって気持ちよくなってしまう。
「すごい…兄さんの中、きゅうきゅう絞ってくるよ。…持っていかれそう…」
「あ…あ、んっ…」
 神経が真っ白になっていく感覚に耐えて、アルフォンスを奥深くくわえてゆっくりと腰を揺らめかせる。絡み付く、と言うより、噛み付いて離さないというような、容赦ない欲求に支配されていく。脊椎から、激しい電流のように流れる快感。熱くて、息をするのも苦しい。
「あ、あ、ああっ…! アル、ひぃっ、あ、はぁっ!」
 自身を片手で摺り、泣きながら嬌声を上げるエドワードの腰の動きは徐々に激しさを増していく。はだけたバスローブからチラチラ見える乳首が、何とも言えず扇情的だ。乱れても決して下品にならない姿は、美しい故の特権か。エドワードの細い腰を支えるアルフォンスも、兄の恥態に達してしまいそうになるのを耐えていた。
「アル、アルぅ、愛してるっ、大好きぃ、あああぁぁぁっ!!」
「くぅっ…!」
 絶叫しながら達したエドワードは、それでも手の動きを止めることなく、アルフォンスの胸に白濁の蜜を出しきる。
 アルフォンスもまた、最期の締め付けに、エドワードの最奥にぶつけるかのよいに、欲情を吐き出していた。
 エドワードの体から力が抜け、後ろに倒れていきそうになるのを、慌てて支える。
 息は荒いままだが、目を閉じた兄は、失神してしまったようだった。
 突き刺さったままの自身を抜くと、コプリと液が溢れて出てきた。エドワードも、一瞬ビクッとしたが、目を覚ます気配はない。
 どうやら完全にイッてしまったようだ。
「兄さん…ステキだったよ」
 そっと横たえて抱きしめる。
 気がつくと、あんなに暑かったのに、窓から入る風が気持ちいい。
 寝室を2階にしているのは、本当に正解だと思った。窓を開けていても、外を気にせず愛し合える。
「朝になったら…一緒にシャワー浴びようね?」
 穏やかな寝息になっている兄にそっと囁き、薔薇色の頬にキスをする。
 アルフォンスもまた、愛しい兄を抱きながら、目蓋を閉じた。


end
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