青と金のキセキ

□ハートキャッチ!ナース!
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 それにしても、このレモンパイは良く出来ている。お菓子作りが上手で、こんな美人な軍医の彼女とはどんな女の子なのか、ますます興味がわいてくる。
「先生の恋人って、どんな人?」
「えっ…どんなって…」
「可愛い系?キレイ系?」
「えっと…可愛い系?かな…」
 照れた様子が歳相応の男の子で、好感が持てる。
「髪とかは?長い?」
「ううん。けっこう短い金髪」
 ボーイッシュな可愛い子か。活動的なエドワードにお似合いかもしれない。
「で?どんな子?どんな子?」
「んー、一歳下だけどしっかりしてて頭が良くて、オレのことを全部許してくれる優しいやつ…かな」
 なかなか良い感じだ。エドワードはちょっと子供っぽい部分もあるから、しっかりした子がいいのかも。
「でも先生は、そんなやっちゃダメなことしませんよね?意外と」
「いや…実はオレ、昔あいつの体奪っちゃって…そのせいであいつ、食べることも出来ない時期があったんだよ」
 驚愕の事実を語り、いきなり落ち込み出すエドワードに、当然ナースたちは慌てる。なんかとんでもないことを聞いてしまった。
「で、でも、今は恋人なんですよね?」
「うん」
「なら、奪ったってより、案外同意だったんじゃないのかなぁ?」
「うん。あいつも、オレだけが悪いんじゃないって言ってくれてる」
 口々に聞いた二人は、ホッとする。エドワードに限って、女性を無理矢理不埒なことを、なんて無体はしないのではないだろうか?
 ズズッと紅茶をお行儀悪く啜るエドワードは、錬金術の師匠が女性だったとかもあるらしく、かなりのフェミニストだ。現に、看護師だからといって、ナースの意見を蔑ろにすることはなく、尊重してくれて大事にしてくれる。
 しかも、男女問わずモテるくせに、意外と奥手だということも知っている。
 体を奪ったなんて、たんなるエドワードの勘違いなんじゃないのか?おそらく、同意でそういう事に至った後で、女の子が恋した勢いでダイエットでもしたのではないのだろうか。恋人と初めてホニャララして、ウエストやらが気になった、とか。いつまでもキレイな体でいたいという女心が、エドワードにはイマイチ分からなかっただけじゃないのだろうか。
「先生、すみません。ノーコメントでもいいんだけど、その子の…その、体奪っちゃったって何歳の時?」
 ピラウが口ごもりながら、恐る恐る聞いた。
「オレが11歳で、あいつが10歳」
 あ、やっぱ聞きたくなかった?セクハラだった?と小首を傾げるエドワードも可愛いが、むしろ聞いたほうが逆セクハラだし。
 ってか、11歳と10歳。
 もうそれは事故みたいなもんだったのでは?
 ってか、エルリック先生の初めてって11歳か、すごすぎる。
 なんて、思考がグルグル止まらない。
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