ろいえど


□桃ノ花ビラ-from that day- 連載中
2ページ/3ページ

背後から、突然聴こえた声。
聴きたくて仕方なかった、懐かしい…

「ロ、イ…?」

――…愛しい、あの人の声。

「…久しぶり、だな」

何かの間違いじゃないのか。
だって、ロイは結婚したのだ。
なんで今更、此処に…自分のところに来るのか。
そもそも、なんでオレが此処にいるとわかったのか。

「何…だよ…」

やっと出てきた言葉は、掠れて消えた。
それでも、ロイには聴こえていたらしく。

「愚問だな」
「…愚問じゃねーよ。レイラさんはどうしたんだよ」

顔を上げずに問い掛ける。
自分でもわかるほど、その声は震えていた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ