ろいえど
□桃ノ花ビラ-from that day- 連載中
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背後から、突然聴こえた声。
聴きたくて仕方なかった、懐かしい…
「ロ、イ…?」
――…愛しい、あの人の声。
「…久しぶり、だな」
何かの間違いじゃないのか。
だって、ロイは結婚したのだ。
なんで今更、此処に…自分のところに来るのか。
そもそも、なんでオレが此処にいるとわかったのか。
「何…だよ…」
やっと出てきた言葉は、掠れて消えた。
それでも、ロイには聴こえていたらしく。
「愚問だな」
「…愚問じゃねーよ。レイラさんはどうしたんだよ」
顔を上げずに問い掛ける。
自分でもわかるほど、その声は震えていた。