ろいえど
□ムーンライト伝説
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「・・・遅い」
あのあと。
とりあえずアルを追い払い、大佐に報告書を提出。
図書館でヒマを潰すと言って、大佐の家に来ていた。
「今日そんなかからないって言ったじゃん・・・ッ」
あ、ダメだ・・・
言ったら余計寂しくなった。
てゆーか、まじめに遅い。
・・・なんか、あったのかな・・・
「・・・ッ」
そう考えると、居ても立ってもいられなくなり、何も羽織らぬまま外に飛び出していた。
†
「はぁ、もう真っ暗だな」
いくらなんでもこの時分。
流石に人通りは無く。
「エド・・・もう寝ているかな」
愛しい人の名を呼んでみる。
――はぁっ、はぁ・・・
明らかに他人の息遣いが聞こえ、咄嗟に身構える。
「・・・大佐ッ!」
エドの声・・・?
あまりに突然のことで、立ち尽くすしか出来ない。
何故、エドが、ここに・・・??
「・・・遅いッ!!」
「え?・・・エド・・・ッ」
呆気に取られているとふわりと温もりが抱きついてくる。
その肩は小刻みに震えていた。
「た、大佐が帰ってくるの遅いから・・・ッ、なんか、あったかと思・・・ッ」
しゃくり上げながら一気に言葉を吐き出す。
「・・・すまなかったな」
「・・・今日・・・何の日か知ってる・・・??」
「今日?」
なんかあったか・・・??
記念日とかはすべて覚えている。
そのどれにも当て嵌まらないと・・・
「今日・・・満月だよ」
答えが無いことに痺れを切らしたのか、エドが小さく呟く。
「満月の夜に結ばれたふたりは、永遠になるんだって」
そう言って俺を見上げたエドの顔が・・・
「オレに永遠を誓ってよ・・・ロイ・・・///」
――誘っているようにしか見えなかった。
*