ろいえど


□ムーンライト伝説
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「・・・遅い」

あのあと。

とりあえずアルを追い払い、大佐に報告書を提出。

図書館でヒマを潰すと言って、大佐の家に来ていた。


「今日そんなかからないって言ったじゃん・・・ッ」


あ、ダメだ・・・
言ったら余計寂しくなった。

てゆーか、まじめに遅い。
・・・なんか、あったのかな・・・


「・・・ッ」


そう考えると、居ても立ってもいられなくなり、何も羽織らぬまま外に飛び出していた。





























「はぁ、もう真っ暗だな」

いくらなんでもこの時分。
流石に人通りは無く。

「エド・・・もう寝ているかな」


愛しい人の名を呼んでみる。


――はぁっ、はぁ・・・


明らかに他人の息遣いが聞こえ、咄嗟に身構える。


「・・・大佐ッ!」


エドの声・・・?

あまりに突然のことで、立ち尽くすしか出来ない。
何故、エドが、ここに・・・??

「・・・遅いッ!!」
「え?・・・エド・・・ッ」

呆気に取られているとふわりと温もりが抱きついてくる。
その肩は小刻みに震えていた。


「た、大佐が帰ってくるの遅いから・・・ッ、なんか、あったかと思・・・ッ」

しゃくり上げながら一気に言葉を吐き出す。

「・・・すまなかったな」
「・・・今日・・・何の日か知ってる・・・??」
「今日?」

なんかあったか・・・??
記念日とかはすべて覚えている。
そのどれにも当て嵌まらないと・・・

「今日・・・満月だよ」

答えが無いことに痺れを切らしたのか、エドが小さく呟く。

「満月の夜に結ばれたふたりは、永遠になるんだって」

そう言って俺を見上げたエドの顔が・・・


「オレに永遠を誓ってよ・・・ロイ・・・///」


――誘っているようにしか見えなかった。





















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