ろいえど
□不器用な恋
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ただ、あなたが好きなんだ。
ただ、それだけなのに
それだけなのに…
☆不器用な恋☆
「こんちわー!!」
「やあ、鋼の」
「に、兄さん待ってよぉ…」
東方司令部に、エルリック兄弟がやって来た。
「あ、ああ…悪ぃ、アル」
「いーよ。毎度のことだしね」
「ならいーや。ほら、報告書」
「もー、兄さん!!」
「ご苦労だな、アルフォンス」
苦笑を漏らし、エドの報告書に目を通すロイ。
こんなやり取りは、毎度定番な事だった。
報告書を読み終え、顔を上げてエドに問い掛ける。
「そうそう、電話で言っていた文献だがね…」
「持ってきてくれた?!」
ロイの言葉をきいた途端に、目を輝かせるエド。
「すまないが、家に置いてきてしまったのだよ。明日渡すということでもいいかい?」
するとエドは言いにくそうに、
「…今回、何の情報も無くて、すぐ読みたいんだけど…今日、大佐っち行って…いい??」
上目づかいでロイに尋ねる。