文 長編
□ハンカチーフ (ミハアル)
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ミハエルと同室になり、アルトは戸惑っていた。
最初の頃はそうでもなかったのだが、最近扉によくハンカチが挟まっている。。
これは、俺達…いや俺には関係ないが奴が女を連れ込んでいるというサイン。
最近やけに多い。仕方なく今来た通路を逆戻りする事にする。
しばらくは、入れそうにない訳だから。
「アルト先輩♪」
声をかけられ顔を上げるとルカがいた。
パソコンを抱えたまま、クルクルよく表情の変わるデッカイ瞳で覗きこんできた。
「どうかしたんですか?ミシェル先輩と喧嘩とか…??」
子犬のような瞳に見つめ上げられついつい、ルカの頭をポンッポンと撫でた。
「ミシェルの奴まただよ。シルシがあったからな。あいつもよくやるぜ…ホント。」
「またですか?!もぅ僕ヒヤヒヤなんですけど…いつか見つかりますよ。。……あぁ、アルト先輩寂しいんですね?」
「………はぁ??」
寂しい?誰が??俺が何故…??
変な顔をしていたのだろうルカがニコニコ…いやニヤニヤしながら俺を見上げている。
「んなわけあるか…寂しいなんて…」
ふと思い出しアルトは、ルカから目を反らす。
「僕の部屋でよかったらいつでもきてくださいね☆じゃあ、アルト先輩。」
去っていくルカに生返事をして、アルトは…顔を赤くしていた。
この感情は、なんだ?寂しい?違う。
怒りとも少し違う気がする…。。
アルトはそっと自分の唇に指先をはわす。
柔らかいけれど、弾力のある…肌とまた違う感触、感覚のある場所。
シェリルやランカと唇を合わせたこともあったけど……
ミシェル…??
「………チッ!!」
アルトは自分のさっきの感情が何かがわかり、わかったがためにムカついていた。
あのヤロウほんっと節操無しだな!!
今来た通路をまた逆戻りし、部屋に向かって歩きだした。
その足取りは、軽快ではあったがもし、オーラというものが見えたならば今の彼には誰も近づかないことだけは、言えるだろう。。