連載小説・T
□夢想【八ノ刻】
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宮司様含め、この村に住む者達は、祭主様の命令には絶対に従わなくてはならない。
それが例え心を痛める『宣告』だったとしても伝えなくてはならないんだ。
けれども、人間の“慣れ”というのは恐ろしいもの。
この宮司様は俺が死ぬ事など、まるでなんとも思ってないみたいだ。
みたいじゃない。なんとも思ってないんだ。
皆神村にとって、双子とは〔特別〕な扱いを受けると同時に、〔道具〕の扱いもされる。
それでも好い。
村人達が奇怪な儀式を当たり前に思い、当たり前に行うなか、俺と樹月も奇怪な関係を築いた。
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