ジノ→ルルーシュ

ほぼジノ独白
















初めて会ったときからどうかしてしまったのかもしれない。自分はここまで人のことを思ったことがなかったし、そして考えたこともなかった。気がつけば目で追っていて。何気ない仕草。表情。全てが自分を惹きつけた。本当に夢中になってしまっている。そう思ったら少し笑えて。
一人になってぼんやりすると考えることはいつもルルーシュのこと。あぁ、どんな風に啼くんだろうとか、どんな風に乱れるのかとか。ルルーシュに夢中になりすぎてヤマシイくらいに妄想してしまう。
ルルーシュが笑うと、ルルーシュが私に触れて来ると、それだけでもう血流が逆流してしまいそうになるくらい知らない感情が踊り出す。だけどそれは嫌なものではない。どちらかというととても幸せなものかもしれない。
そして何も考えられなくなって、ルルーシュのことが頭の中でぐるぐると回るのだ。
あぁ、本当に夢中になりすぎている。


「ジノ」
微笑んで名前を呼ばれ、自分の中の感情が昂ぶり今にも出てきてしまいそうだ。だけど好きな人には誠実に接しなければと私は笑みを浮かべる。優しげな笑み。この表情から欲望という感情は伺えるだろうか?ばれない様にやっているつもりだけど気付いた者もいるかもしれないな。
微笑む君は本当に女神のようだ。その女神に誠実にしなければと思うと同時に今すぐ押し倒して自分のことを体に刻みつけたいという邪な感情もある?やだやだ。誠実と欲望のコラボなどろくなものではない。
欲望がなければ襲いたいなどという考えを持たずに本当に壊れものに接するかのように優しくできるのだ。逆に誠実などというものがなければ自分の感情だけですぐに行動できる。あぁ、本当にろくなものではない。
生まれ変わろうとするかのように存在するこの二つの感情。消し去ろうと思えば思うほどそれは強くなっていく。


愛というのは何なのだろう?苦しいものなのか楽しいものなのか?それすらも分からなくなる。今までは適当に付き合っていたから楽しかった。苦しみなんて言うものないと思っていた。だが、今ならわかる。こんなにも思いすぎて苦しいということが。考えすぎて、悩みすぎて苦しいということが。
楽しいなら純粋に楽しみたい。嫉妬、欲望などという感情は無くしたい。でも、思えば思うほど本当に強くなっていく。
でもルルーシュが笑うと私は嬉しくなるし、そして話している時、一緒にいる時はとても楽しいんだ。
あぁ、愛というものは分からないな。こんなに惑わされるなんて。


叫べばいい。寂しいのなら泣き叫んでもいい。私に向って叫んでくれたら不謹慎だがとても嬉しく思ってしまう。ルルーシュの声や心なら君が心で叫んでいても私には聞こえる気がする。感じる気がするよ。全ての者が叫んでも、私の心に響くのはルルーシュの言葉だけだ。全ての者が私の名を呼んでも、私の心を貫くのはルルーシュだけだよ。真っ直ぐに私の中に入ってきて、私が貫かれるんだ。そしてまた君に夢中になる。
どんなに離れていても大丈夫だよ。君の声が届かない場所にいても。愛情に時空などないのだから。
君に夢中だから、私はずっとルルーシュのことを思っているから大丈夫なんだよ。
ルルーシュ、ずっと傍にいる。ルルーシュが私を呼んだらすぐに君の傍に行くよ。
だって、君に夢中なんだから。



ルルーシュは何だ?羽根のない天使のように優しく包みこんでくれると思ったら悪魔のように妖艶に微笑む。悪魔は人を惑わすために酷く美しい姿をしていると聞いたことがある。でも天使だって人を癒すために人を魅了するとても美しい姿をしているのだそうだ。ルルーシュはどちらにも当てはまってしまうじゃないか。
君のせいで愛情の暴走が止まらない。心と身体が乱されて冷静な自分がいなくなる。あぁ、ルルーシュのせいだよ。ルルーシュのせいでこんなに愛情が身体を巡り回っているんだ。



「ルルーシュ」
「何だ?」
「好きなんだっ!」
「…馬鹿」
まさかの答えに少し肩を落とす。本気の告白をかわされてしまったということだろうか。
「今更だろ?」
そう言って柔らかく微笑まれて頬にキスをされる。あぁ、頭がくらくらする。足りないな。
誠実が、なくなってしまったようだ。
ルルーシュの髪に手を絡ませ、顔を引きよせ自分は腰を屈めてキスをする。もう戻れないよ。こんなに甘美なことを知ってしまった。さぁ、旅立とう。
舌を絡ませているとルルーシュの手が自分の髪に絡んできた。三つ編みがとれ、さらりと首筋を撫でる感触がする。
立ち止まることなんてない。誰も知らない場所に、誰もいったことのない世界に行こう。ルルーシュとならどんなところでもいける気がする。なぁ、ルルーシュはそうは思わないか。
深くなる口付けに酔いながらもっと、という欲望が渦巻く。もっと欲しい。ルルーシュが、もっと。
ルルーシュのせいでこの世の全てが純愛で真っ黒になる。それほどまでに好きなんだ。
誰にも渡したくない。誰にも触れさせたくない。誰にも見せたくない。私だけの、ルルーシュになって。
ルルーシュの全てを、私に頂戴?

私の全てをあげるから。















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             君に夢中だ…

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