ルルーシュ追悼
スザク独白















ありがとう




ルルーシュ、君は本当に僕の親友で、そして僕が護りたかった人だよ

初めての友達

幸せな日々

ずっとあの頃が続けばと思ったことが何度もある

軍人の時なんか余計にね

君は自分のことを顧みず、ナナリーを守っていたから君のことを守るのは僕の役目だと思ったんだ

君は優しいよね

優しすぎて、僕は泣きそうだよ


その優しさにもう二度と触れられないのだから



ゼロの仮面はこんなにも重かったんだね

君に任された仮面

僕は仮面を被り続けるよ

世界を優しくする

君との約束だもんね

でも、僕は正直ここまでこの仮面が重いとは思わなかった

ここまで、責任のあるものだとは思わなかったんだ

世界を騙し、欺き、そして嘘を吐く
この仮面


それが実はとても優しいものだったことを、僕はやっと気づいたんだ



人並みの幸せなんて、いらないよ

世界にくれてやる

だって僕はそれを掴むことなんてできないだろうから

君がいなくなっては、幸せを掴むことすら難しいんだ


君が、いない



ルルーシュ

君は僕が殺すんだ

実際そうなったんだけどね

誰にも譲るつもりなんてなかったよ

でもね、君を貫くとき、嬉しくも何ともなかった

ただ心に穴が開いたようで

でもね、君が最後に見るのはナナリーがいいだろうと思って僕は剣を抜いた

仮面の下で涙を流しながら

止まらないんだ

ナナリーの愛してるという言葉、
君に聞こえた?

最高の言葉だろう

僕が叫びたいぐらいだったよ

ゼロ、という言葉が反響するのを聞いた?

本当に奇跡の男だね

ゼロと称えられるのは君のはずな
のに

何で僕がその言葉を受けているんだろう

そして皆が君のことを悪逆皇帝と言うんだ

君が何を思ってやったかも知れずに

その罵りを聞くのも僕には辛いんだよ

すぐに皆にばらしたいぐらいだ

だけど、君が命をかけてまで世界の明日を望んだんだ


ならば僕は、それを叶えてみせるよ




君には言わない

寂しいなんて

だって君は気にするだろう?

でもたまには君を思ってもいいか


だって君がいけないんだ

世界の明日を望んで自分の明日を断ち切るなんて

そして君がいなくなった時点で僕の明日の幸せもない

でも、君が心配しない様に強がるよ

優しい世界を最後まで望んだ君に

よく見ててね

その願い、絶対叶えてみせるから

だけどね、君を思って泣いてもいいかな

本当にたまにだよ


君といた日々を思い出すと、涙が勝手に出てくるんだよ




笑い合ったり

泣きあったり

慰め合ったり

接吻したり

抱きしめあったり

もっと色々としたかったことがあるんだ

離れていた時間が長すぎて、そしてお互いのすれ違いに気づくのも遅すぎた

その分の時間を埋め合わせたかった

これは僕の我が儘なんだろうけど

君は優しくて残酷だよ

優しくて、優しくて、本当に残酷だ

君を憎んでいたら、僕は楽だったらんだろう

憎み切れたら、楽だったんだろう

こんなに苦しまなくてすんだんだ




君は残酷だよ






だって僕は、君以外を愛することもできないんだ













  雪白の月
         愛してる

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