小説 他

□最強無敵の恋敵!
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「可愛い」
そういう君の方が可愛いよっ!という声は生憎届いてはいなかった。




















目の前にいる絶世の美人を目にして綱吉は固まった。周りに美形は多いがこんなにも綺麗な人は見たことがなかった。
「可愛い。なぁ、スザク」
そういう彼は誰なのだろうと思う。その周りにいる者たちは余りいい顔をしていない。あぁ、惚れているのかと思った。まぁこれだけ美人な人になら惚れても仕方ないなと思うと同時に、自分の後ろでも何か殺気立っている。
「そんなことないよ。ルルーシュの方が可愛い」
「はっ!何を言っているんでしょうかね。この輩達は。綱吉君の方が可愛いに決まってるじゃありませんか!」
「パイナップルが何か言ってるよ。人間の言葉も喋れないのかな」
「くるくるが何をいいますか」
「うるさい、スザク」
「骸も黙ってよ」
そういう2人の言葉に今までうるさくしていたスザクと骸は黙る。お互いに牽制することを忘れはしない。
スザクの方はと言えばルルーシュ以外に可愛い者がいるわけないと思っている。ルルーシュは可愛いというか綺麗なんだよね。そう想い想い人の顔をみる。彼は真剣ともいえる表情で目の前にいる少年を見ていた。確かに綱吉という少年は可愛い。でもルルーシュ程じゃないね。色気も感じないし。
骸の方も綱吉以外に可愛い者がいるなどとは思っていない。こんなに可愛い人が他にいるはずがない。そう思い綱吉を見る。戸惑ったような顔でルルーシュという男を見ていた。確かにルルーシュという少年は綺麗だった。でも、綱吉みたいに護りたいと思える程じゃない。
バチバチと視線で戦いを繰り広げる二人に対し、ルルーシュと綱吉は溜息を吐いた。
「可愛いな。…中学生?」
「あ、えぇ。そうです。…高校生ですか?」
「そう。高校生。よろしくな」
そう言ってにこって笑うルルーシュに対し綱吉は顔が赤くなるのがわかった。それを見て周りの者が慌てたように綱吉に詰め寄る。
「十代目!何故顔を赤くしておられるんですかっ!?」
「ツナ、まさかとは思うけど…」
「綱吉、許さないよ」
「綱吉君っ!僕というものがありながら…」
「黙れ骸。うざい」
「何故僕だけっ!?」
「…」
はぁ、と溜息を吐く綱吉にルルーシュがポンポンと頭を撫でる。あぁ、初めて触る感触の髪質。しかも小動物みたいで可愛いとルルーシュはその手の動きを止めない。
「待って!待ってよ、ルルーシュ!何でそんな恍惚とした表情でそいつの髪撫でてんのさっ!?」
「兄さんっ!そんなどこのどいつかもわからないやつより僕の髪を…」
「ルルーシュ、周りを黙らせろ」
「ルルーシュ〜、もう帰ろうぜ」
「ジノ、暑苦しいから抱きつくな…」
「うう〜」
「…」
こちらも溜息を吐く。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫。ありがとう、綱吉君」
「えっ!?いや、全然…」
あぁもう可愛いなぁとルルーシュはニコッと笑う。あぁ綺麗だなぁ、と綱吉も微笑んだ。周りの者はそれに嫉妬。
「ねぇ、聞いたところ君たちのボスみたいだけど?ボスが受けってどういうこと?頼りないね」
「そんなことを言ったらゼロという反逆者みたいじゃないですか。しかも皇族ですって?そちらも見たところ受けっぽいですがどうなんですか?」
「はっ!いいんだよ。ルルーシュは体力もないしそういう方面には疎いからね。綱吉君は違うみたいじゃないか。もろ戦ってるし、健全な男子中学生でしょ」
「残念ながら可愛さが勝つので。ルルーシュ君は頭もいいみたいですし知識はいっぱいあるんじゃないですか?」
「そんな知識がいっぱい詰まった頭を何も考えられない様に真っ白にするためにぐちゃぐちゃにするのが楽しいんじゃないか」
「ぐちゃぐちゃにするのが楽しいというのは同感です」
スザクと骸の言い争い。それを見て溜息を吐くのが雲雀とロロ。
「下種ないい争いだね」
「そこは同感ですね」
「わぉ、でもルルーシュっていう存在は気に入らないな」
「僕も綱吉っていう存在は気に入りません」
「噛み殺すよ」
「その前に貴方が死にますけどいいならどうぞ」
雲雀とロロの争い。ジノは獄寺と話している。
「十代目は素晴らしいお方なんだ」
「それはルルーシュも」
「十代目の右腕に俺はなるんだよ!」
「俺もルルーシュの騎士になる!」
「なのにいつも邪魔ものがいるんだぜ。ホントも〜邪魔くせぇ」
「わかるぞ!その気持ち」
「本当かっ!?」
「あぁ、ルルーシュの騎士になろうとおもってたらいつの間にかスザクに奪われてるし?もう最悪って言うかなんて言うか…」
「そうなんだよ!いつもその場所は誰かが狙ってんだ!」
「恋人っていう場所も狙ってるんだけどなぁ、…ルルーシュはいつになったら振り向いてくれんだろ…」
「…わかる…。十代目ぇ…」
項垂れる二人をよそに山本とC.C.は話す。山本は微笑みC.C.も馬鹿にしたように笑っていた。
「そちらのボスはもてる様だな。いいな、若いのは」
「そっちもモテモテだな〜」
「まぁな。あんなに美しいのは他にいないからな」
「こっちもあんなに可愛いのは他にいないぜ」
「ふっ、そうだな。可愛さは譲ってやろう。言い争う気はないからな」
「俺も」
「ルルーシュは綺麗だろう。あいつが一番きれいなのはベットの中かな。喘いでいる姿を想像してみろ。一番美しい。私が襲ってやりたいくらいだ」
「ツナもそうかな〜」
「「そこ!何言ってんだっ!」」
C.C.と山本の会話に皆が動きを止める。ルルーシュと綱吉が顔を真っ赤にしていた。
「山本!何言ってんの!?」
「ははっ、わりぃ」
「十代目ぇ!!いつからこんな奴とそんな中にっ!?」
「なってないから!」
「そうですよっ!綱吉君は僕としか「黙れって言ってるだろ!骸!!」
「C.C.、俺もお前とそんな仲になった記憶はない」
「あぁ、すまなかったな。童貞」
「…っ!はしたない言葉を使うなっ」
「あぁすまない。私がもらってやるんだったな」
「なっ…」
「違うよっ!僕がもらうんだよ!まぁ童貞じゃなくて処女だけどね」
えへっと笑うスザクに蹴りがジノとロロからはいる。ルルーシュは手をわなわなとさせて怒鳴った。
「俺は掘られるつもりはないっ!やるなら攻めだっ!!」
その言葉に周りにいる誰もが固まった。ギアス組に関しては言葉を失ったかのように愕然としている。リボーン組はぽかんとして、そして諭そうとする者が出てきた。
「君、攻めっていう意味分かってる?」
「それは、…まぁ」
「そんなことで赤くなる君に務まると思えないんだけど」
「それは同感ですね。非常に嫌ですが。…攻めって言うのは自分のピーを相手のピーに突っ込みたいと思うことですよ」
「そんなこと言われなくても分かっている!」
「おや、分かっているんですか」
「…スザクに、やられそうになったことが…」
「よく防ぎましたね」
「C.C.が、護ってくれて…」
「…」
「黙るなっ!」
「ルルーシュさん、なんで自分が攻めだと…?」
「?性格的に…そうかなって。それにっ」
「?」
「綱吉君とだったら、俺…別に…」
「「「「「「「「「!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」
「それなら俺も…ルルーシュさんだったら…」
「本当か?」
「えぇ、ですけど貴方相手に受けはできません」
「へ?」
「やるなら、俺は攻めになると」
綱吉がニコッと笑ってルルーシュの手を握る。それに叫び声を上げたのは一人だけじゃない。
「大好きです。ルルーシュさん」
ちゅっと、ルルーシュに綱吉がキスをする。あぁ、叫び声が木霊して非常に煩い。
呆然としている者たちを無視して綱吉はルルーシュの手を取り、歩きだした。























                  最強無敵の恋敵!
     どっちも可愛いんです
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