その他 小説

□愛しくて
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「ただ、愛しただけなのに」











どうしてこんなに歪んでしまったんだろう


ただ、君が愛しいだけなのに


君の全てを僕のモノにしてしまいたくなるんだ










「・・・チェシャ猫・・・?」



歪んだ僕の瞳に映るアリス


アリスはただ、僕を見て涙を流していた






アリスがいけないんだよ?


僕をこんな気持ちにさせてしまったんだから





「アリスが僕を苦しめるんだ」











鋭く尖った爪が
アリスの喉へと食い込む

それと同時に溢れんばかりの赤い液体が
アリスの体を徐々に侵食していく








「あ・・・っ」


アリスは苦痛に小さく声をもらすとバランスを崩し倒れこむ


「嗚呼・・・勿体無いよ・・・アリス・・・。
一滴たりとも無駄にしちゃいけないよ?」


そう言う口でアリスからなだれ出た血を自分の下で舐め取っていく


力を無くし徐々に閉じてゆく瞳











「僕のモノだよ」






赤く染まった手でアリスの頬を触る


既に肌は青白く息は無かった









アリスの首元に顔近づけ
赤い印をつけた



不適な笑みだけが浮かぶ




「アリス・・・」














「大好きだよ」







END
2008/11/23


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