short novel
□去り逝く者、残されたもの
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いいえ・・きっと・・・あたしはあんたのそういう処全てを愛してたんだわ。
去り逝く者、残されたもの
日番谷隊長も修兵も恋次も、日々前に進んでいる。だけど、あたしはまだ立ち止まったまま。
ギンが消えてしまった日からあたしは前に進めないでいた。
ギン、あたしは「ごめん」でもなく、「さよなら」でもなく、「ただいま」が聞きたかったのよ。なのに・・何も言わずに消えるなんて酷いじゃない。
あたしは泣きながらギンを抱きしめることしか出来なくて、徐々に消えて逝くギンを止めれなかった。
ギン、あんたは残酷だわ。あたしの目の前で消えて・・・形見すら何も残って無くて・・・
あたしに残ったのは、あんたとの思い出だけだったわ。
消えてしまうのに形見の一つも残してくれない、あんたのそういう処が嫌いだった。
だけど、もしもあんたが形見を残していたら、あたしはきっとそこからいつまでだって動けずにいたわ。
あんたはきっと、あたしのそういう処も見抜いていたのね。
ありがとう、ギン。
あたしはあんたのそういう処が・・・好きだったんだわ。いいえ・・きっと・・・全てを愛してたんだわ。
ねぇ・・ギン。だから今だけは泣くことを赦して・・。
そのあとはちゃんと前に進むから。あんたが残した最後の優しさをあたしは無駄にはしないから。
end
2011.11/08
コミック48巻を読んで突発的に書いてしまった。
去り逝く者→ギン。残されたもの→乱菊+優しさや思い出みたいな感じですね。なのでわざとタイトルは平仮名に。