駄文

□再会
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町はやがて夜に包まれ家々の明かりが消えていき、外灯が町を淡く染めていく。そんな町の風景をアメリアは自室のバルコニーから眺めていた。

「綺麗…。」

アメリアはこの時間が好きだった。国の平和や静かに眠る人々。
…いつかあの人が何気ない顔をして現れると心のどこかで信じている自分がいた。

「そんな簡単に来れるわけないわよね、ゼルガディスさん忙しいもの。きっとどこかで書物を読んでるんだろうなぁ。」

アメリアはそんなゼルガディスの姿を想像するとクスッと笑っては外の風を楽しんでいた。
















「何を一人で笑ってるんだ。」









急な声にビクリと反応し、寄りかかっていたバルコニーから落ちそうになる。
―が、声をかけた男がアメリアの腕を引っ張った。

「ゼ、ゼルガディスさん?!」

腕を引っ張った男。それはアメリアがずっと待ち続けていたゼルガディスだった。

「元気そうだな。」

「はい!ゼルガディスさんもお元気そうで何よりです。でもゼルガディスさん、どうしてここに?」

「お前にこれを返しに来た。」

ゼルガディスは少し頬を染め、アメリアの目の前に持っていた物を差し出しアメリアに渡した。

「え…?」

それは以前アメリアがゼルガディスに渡していたアミュレット。
自分は一緒に行けない。せめて自分の身につけている物を一緒に連れて行ってくれとゼルガディスに渡した物だった。

「もう必要なくなったから返しに来た。」



必要なくなった…?
私のかわりに連れて行ってくれない…?



アメリアは手元に置かれたアミュレットを見つめたまま固まり、小刻みに震える。そして意を決して口を開いた。

「他に…一緒に旅をする女性(ヒト)が…出来たんですか…?」

「は?」

ゼルガディスは締まりのない声を出した。

「だって…その女性にゼルガディスさんの気持ちがあるのならこれがあると困るでしょう?だから返しに来たとしか考えられな」

「阿呆。」

アメリアはゼルガディスに一刀両断された。
ゼルガディスは溜息を一つするとアメリアを見つめた。

「人の話は最後まで聞け。それを返しに来たのはたしかだ。しかし俺は他の奴と旅をする気はない。」

「じゃあどうして…はぅっ!」


アメリアの頭から鈍い音がした。
今度は鉄拳が飛んできた。

「最後まで聞けと言うに…。これを返しに来たという事はお前を連れて行くという事だ。」

アメリアは目を丸くしゼルガディスを見つめた。そこには頬を染め、そっぽを向いているゼルガディスがいた。

「…また一緒について行っていいんですか?」

「アミュレットだけ連れて歩いてもな。」

先ほどまで沈んでいた顔が徐々に笑みを取り戻す。気付けばゼルガディスの胸に顔を埋めていた。

「嬉しいです…また一緒に旅が出来るんですね。」

ゼルガディスはアメリアの頭をソッと撫でるとアメリアを離し、腕を取るとアミュレットをつける。

「あぁ、お前の親父さんからも護衛を頼まれているしな。」

「護衛…ですか?」

「何も聞いていないのか?ルビナガルド王国にいる国務調査官とやらがお前に用があるらしい。用があるのならそっちから来ればいいのだろうが外せない用があるらしく、お前に来てほしいとの事だそうだ。そしてお前一人を行かせるわけにはいかないと今日の夕方お前の親父さんに呼ばれてな、俺を雇ったというわけだ。」

そういえば先日から今日にかけて執務がやけに多かった。
考えてみればルビナガルド王国からの物もちらついていた。

「わかりました。それじゃあまたこれからもよろしくお願いします!」

「ああ。だがルビナガルドに向かうのは明日の朝だ、ちゃんと準備しておけ。」

「はい!」

アメリアはゼルガディスに笑顔を見せると再び抱きついた。そして今度はしっかりとゼルガディスの両腕に包まれた。























そしてレボリューションへと話は進む…。



END
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