駄文
□再会
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「会いたがってたわよ?」
日が落ちるとセイルーンの城下町に昼間とは違う雰囲気が漂い、賑わう食事処でリナ達はある男のテーブルにいた。
その男は口にコーヒーを運ぶとティーカップをテーブルにおいた。
「それで?」
「それでってゼル…。なんの為にセイルーンに来てんのよ!」
「俺はお前達に無理矢理連れて来られただけだ。自分の意思じゃない。」
ゼルガディスはさらりと返すと席を立ち、勘定を済ませる為に移動しようとした時、腰に付けていた物が床に落ちた。
「そのわりには大事そうに持ってるじゃない。」
「…余計なお世話だ。」
ゼルガディスは落ちたアミュレットを拾い上げるとその場を後にした。
「ったく素直じゃないわよね〜、人が会うきっかけを作ってあげてんのに!」
一部始終を見ていたガウリイは腹を立てて料理をパクついているリナを見てクスッと笑った。
「何笑ってんのよ。」
「いや、なんだかんだ言って二人の事好きなんだな〜と思ってな。」
ガウリイの一言にリナは喉を詰まらせた。
「んぐ…っ!ゲホッゴホッ!な、何言ってんのよ!あたしはただ!」
なんだかんだ言ってもずっと一緒に旅をしてきた仲間。
とくにアメリアはゼルガディスを慕っていたのをリナはよく知っている。
もちろんゼルガディスも同じである。
大切な仲間だからこそ二人の幸せを願うリナにガウリイは感心していた。
「リナはよくやったと思うぞ。あとは二人の問題だからそっとしとこうぜ。」
ガウリイはリナの髪をわしゃわしゃと不器用に撫でると笑顔を見せた。
その笑顔にはガウリイの暖かさがあり、リナは頬を染めた。
「子供扱いするなーっ!///…ったく、まあいいわ。あとはゼルがどう出るかね。」
「だな。ま、俺達は見守るだけさ。」
リナはこくりと頷くと、グラスに入った水を一気に飲み干す。
「よし!ご飯も食べたし、盗賊退治にでも行きますか♪」
リナは意気込み、右腕を上げるとガウリイはテーブルに突っ伏した。
「え〜っ、今からかよ〜。明日にしようぜ〜。」
「何言ってんのよ!少しでも早く悪を滅ぼすのがあたし達の役目じゃない!」
「とか言って単にストレス発散とお宝が目当てなだけだろ。」
ガウリイの鋭いツッコミにリナはぴくっと眉間に皺を寄せる。
「…ぎくっ!つべこべ言わないでちゃっちゃと行く!」
「へいへい…。」
言い出したら聞かないリナにガウリイは渋々了解する。リナはテーブルに勘定を置くと、ガウリイと盗賊のアジトへ足を運んだ。