駄文
□再会
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「ふぁ〜っ、やっと一息つきました〜!」
「アメリア姫、はしたないですよ!」
聖王都セイルーン。
昼下がり、執務を終えたアメリアはあくび一つに背伸びをし、えへへっと女官に苦笑いを見せた。
「アメリア姫。最近仕事ばかりでお疲れでしょうし、少し休憩を入れてはどうですか?残りは私共でも出来ますので今日は休んで下さい。」
「でも…。」
「たまには休息を取らないと体が悲鳴をあげますよ?」
ここ最近、国家問題などで父の右腕として執務をこなしてきたアメリア。
休む暇などあるわけなく、王宮に籠もりっきりの生活が日常だった為、ゆっくり休める時がなかった。
「じゃあお言葉に甘えて…。」
アメリアは女官の気遣いに甘え、庭園へ足を運んだ。
久しぶりの外の空気。
噴水の側にある長椅子に腰掛けるとアメリアは深呼吸をし、空を見上げる。
雲一つない青空を見つめると仲間の顔が浮かんでくる。
「リナさんにガウリイさん、それにゼルガディスさん…みんなどこで何してるんだろう…。」
ずっと会っていない仲間達が急に恋しくなった。
「みんなに会いたいなぁ…。早くアミュレット返しに来て下さいよ…ゼルガディスさん…。」
互いに将来を約束をしたわけではないけれど…やっぱり一番会いたい。
アメリアは俯き、涙ぐむ大きな瞳を擦ってもう一度空を見上げた。
ふと空に黒い二つの点。
アメリアは疑問に思い、目を細めて黒い二つの点に集中する。
徐々に二つの点が近づいてきて、その二つの点は人の形になった。
それは見慣れた仲間だった。
「アメリア〜ッ!」
「リ、リナさん?!」
突然のリナ達の登場にアメリアは口をぽかんと開けた。
「久しぶりっ!元気してる??」
「よっ、アメリア!」
「リナさん!それにガウリイさんも!お久しぶりです〜!!」
アメリアは歓喜のあまり、リナに抱きつく。
「元気そうでよかった!たまたま隣町で依頼があったもんで帰りにセイルーンに寄ってアメリアに会おうって話になったの。」
「そうだったんですか〜!でも久しぶりにリナさん達の顔が見れて嬉しいです!ところで…あの、ゼルガディスさんは一緒じゃないんですか?」
「あぁ、ゼルの奴なら…」
げしっ!
ガウリイはリナにみぞおちに一発入れられうずくまる。
「ゼルとは会ってないのよ、ずっと別々だしね。」
「そうですか…。」
わかっていたとはいえ期待してしまった。そう簡単に会える相手ではないと心に言い聞かせているが、やはりくるものはあり、アメリアは肩を落とす。
「そんなに落ち込まないの。ゼルもいろいろ忙しいんじゃない?目処が付いたら会いに来るわよ。」
「そうですよね…!一生の別れじゃないですもんね!」
リナはニコッと笑うとアメリアの頭を撫でた。それにつられるようにしてアメリアも笑った。
「よし!アメリアの顔も見た事だし、関所に行って許可証もらって来なきゃ!」
「えぇーっ!!関所を通り越してきたんですか〜!?」
「えへ☆(笑)また来るからその時ゆっくり話しましょ!」
リナは舌を出し笑うと、ガウリイの腕を掴みそのまま飛んで行ってしまった。
「行っちゃった…。」
嵐が去って行ったとはよくいったものだ。アメリアは一人リナ達の姿が見えなくなるまで見つめると王宮内に入っていった。