駄文

□PRESENT FOR YOU
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何も知らないアメリアはただひたすらにマフラーを編んでいた。
その時、勢いよく自室のドアが開かれた。

「きゃあっ!」

アメリアは勢いよく開かれたドアの音にビクリと体を震わせた。振り返るとそこには、息を切らしたゼルガディスが立っていた。
アメリアは自分の手元にあるマフラーに目線を落とすと、慌てて背後に隠し持った。
それをゼルガディスが見落とすわけなく、アメリアの元へ歩み寄る。

「あ、あの、これはその…っ」

「誰だ。」

「えっ?」

「誰に渡すのかと聞いている。」

「それは…。」

アメリアは黙り込むと頬を染め、俯いた。
そんな仕草がとても可愛かった。
だがそれは他の男を想像して頬を染めたのであって、自分に向けられたのではないと思うとゼルガディスは焦燥感に襲われた。

「リナ達には言えて俺には言えないのか。」

「だからこれはその…」

「はっきり言え!」

ゼルガディスは苛立ち、だんだん強い口調になる。
アメリアはキュッと瞳を閉じ、意を決して口を開いた。

「これは…ゼルガディスさんにです…。」




 
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