駄文
□PRESENT FOR YOU
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「で、でもゼルガディスさんには内緒で作ってるし、ちゃんと隠して作ってますよ!?」
「あの勘深いゼルよ!?あんたのわかりやすい態度を見て、不審に思わないわけないじゃない!」
「…何をこそこそ話している。」
不意に話しに割り込んできたゼルガディスにリナとアメリアはビクリと反応する。
「な、なんでもないで〜す♪ゼルはゆっくりコーヒーでも啜っちゃって下さ〜い!」
リナの引っ掛かる言葉にゼルガディスはぴくりと眉間に皴を寄せ、リナを見た。
「…ふん。」
そっぽを向くとゼルガディスは自室へ行ってしまった。
ゼルガディスがいなくなると、一気に空気が軽くなり皆息を吐いた。
「ったく、早く仕上げなさいよね〜!こっちが気ぃ使うじゃない。」
「ごめんなさ〜い!後少しで完成するんで…。」
「これだけ気ぃ使わせてるんだから後は…わかってるわよね…?」
「は、はひ…。」
アメリアは服の上からポケットに触れ、財布の中身の危険を察した。
そんな一部始終を見ていたガウリイがふと身を乗り出した。
「なあ、さっきから何の話してるんだ?」
「アメリアがゼルにマフラー編んでんのよ、驚かせたいから内緒で作ってるんだって。」
「なるほどな〜。で、隠し事されてゼルは不機嫌と?」
「おぉっ!ガウリイにしては上出来!」
アメリアはそんな二人を見ると席を立ち、拳を握った。
「リナさん!ガウリイさん!私、今から部屋に篭ります!」
「あんま根気詰めんじゃないわよ?」
「頑張れよ〜アメリア。」
はいっ!と元気に返事をすると、アメリアは部屋へ向かった。
そんなアメリアを見てリナは、ふふっと笑い見送った。