駄文
□愛しのアメリアちゃん
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夜も間近、街全体を闇が覆い出し、人だかりが消えた。
青年は街灯から離れ、テントへ向かう。ほのかに香る潮風の匂いを肌で感じ、少女を想う。
「…待て。」
青年は引き止められた。
声のした方へ振り向くと、青年は顔をしかめた。
「…なんでしょうか?」
青年は腕を組み、引き止めた男を見る。
「あいつに何の用だ。」
「あいつ?」
青年は何食わぬ顔でしらを切るとそっぽを向く。男は喉を鳴らすと腰に手をあてる。
「…宿にまで付き纏うとはいい趣味をしている。あいつが知ったらどんな顔をするか…。」
「…何が言いたいんですか。」
青年は眉間に皺を寄せ、男を睨む。
「…あいつに付き纏うな。それだけだ。」
「貴方はアメリアさんの何なんですか。」
「………。
アメリアは俺の…「ゼルガディスさ〜ん!」…だ。」
「………………。」
アメリアの突然の登場に、当然かのように二人は呆然とアメリアを見る。
キョトンとした顔で二人を不思議そうに見るアメリア。