駄文
□愛しのアメリアちゃん
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宿に戻る途中パレードが開催し、町中が歓声を上げていた。
「ついてなくてよかったの?」
リナはゼルガディスの顔を覗き込むと、ニヤニヤと微笑する。
「何故俺に聞く。」
「とぼけちゃって♪気になってんでしょ?」
「…くだらん。」
ゼルガディスはすたすたと先を行く。
つまらなそうに両腕を頭の後ろで組むリナの横を歩くガウリイ。
「じれったいわねー、ハッキリ手を出すなって言えばよかったのに。」
「アメリアも満更でもなさそうだもんなー。」
「あらガウリイ、珍しく鋭いわね。」
などと人の色恋に口を出そうとする二人を無視し、ゼルガディスは宿へ入って行った。
※※※※※※※※※※※
夕方に差し掛かりパレードも終盤を迎え、人混みも消え、街灯に明かりが灯る。
ゼルガディスは食堂の窓辺に座り、コーヒーを啜りながら町の風景を眺めていた。
「誰を待ってるのかな〜?」
ぶーっ!
いきなり背後に現れたリナに驚き、吹き出すゼルガディス。
誰…そんなのわかっているのに敢えて聞くリナをじとりと睨む。
「げほっ…、何の事だ。」
「まだとぼけんの?アメリア待ってんでしょ?」
「俺は外を眺めてただけだ。」
ハッキリ言わないゼルガディスにイライラを隠せないリナはゼルガディスの首を掴む。
「だーっ!もう!そんな余裕かましてて誰かに持ってかれてもしんないからねっ!」
「余計…な、お…せわ…っ!」
そんなやり取りをしていると、アメリアが帰って来ているのが窓から見えた。アメリアはゼルガディスに気付き、両手を振る。