駄文
□愛しのアメリアちゃん
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「ゼルガディスさ〜ん!リナさ〜ん!」
遠くから手を大振りするアメリア。
リナは肘でゼルガディスをつつきながらアメリアに手を振る。
「ほら、あんたも振ってやんなさいよ。じゃないとあの子ずっと振り続けるわよ?」
「……。」
確かにアメリアならずっと振り続けるだろう。
ゼルガディスは軽く頷くと、遠くの街灯の陰に隠れている男に気付く。テントの木箱の陰にいた団員である。
アメリアは背後の男に気付いておらず、宿のドアを開けた。
「…遅かったな。」
心配性シスコンのような言葉を吐くゼルガディスに、アメリアは申し訳なさげに笑顔で謝る。
「ごめんなさ〜い、片付けを手伝ってたら遅くなっちゃって…。」
「まあいいじゃないの。アメリア、ご飯食べながらパレードの話でも聞かせて。」
「…俺はちょっと外に出てくる。」
ゼルガディスはアメリアのはいっという返事を遮ると、ドアに向かう。
「ゼルガディスさん、私も一緒について行ってもいいですか?」
アメリアは小首を傾げ、ゼルガディスのマントを掴む。
「ちょっと野暮用でな、…悪いが一人で行く。」
ゼルガディスは振り向きもせず、宿を後にした。
いつもなら面倒臭そうにしていても断られる事がなかった為、ショックからかアメリアはそこに立ち尽くしてしまった。
「まあ無理もないわねー。」
「?…どうしてですか?」