駄文
□RAIN
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宿に入ると、ずぶ濡れの二人を宿主が出迎えた。
「いらっしゃい。おやおや…、この雨の中を来たのかい?この辺には、ここしか宿がないからねえ…あんた達ツイてるよ。」
「あの、一晩泊めて頂けませんか?」
「それは構わんが、なんせ小さな宿だからねえ…。今一部屋しか空いとらんのだよ。」
宿主はチラリと二人を見る。
「構いません、おいくらですか?」
「…おいっ。」
話を淡々と進め、宿泊費を払おうと財布に手をかけるアメリアの手を掴む。
「どうしたんですか?ゼルガディスさん。」
「どうしたんですかじゃない、二人で一部屋に泊まるつもりか!?」
「はい。」
あっさりと返事を返される。警戒心すら持たない少女は宿主から部屋のキーを受け取っていた。
「さ、行きますよ!ゼルガディスさん!」
「お、おいっ!」
アメリアはぐいぐいとゼルガディスの手を引き、部屋へと向かった。