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□月と星と太陽と〔突然の出来事〕
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STORY1 START‐始まりは突然に‐

で、公園。この公園は、市内でも有数の大規模な公園である。(どうでもいい情報だな)木々が生い茂る中、いつもは遊具で遊ぶ子供達や世間話をするお母さん達、ジョギングをする人達がたくさんいる。
でも、今は違った。人が必死で逃げ惑っている。明らかにいつもの風景ではなかった。
少年「一体何があったんだ?」
……何だろう、この気持ちは…?
今までにない不安感に小夜は襲われた。
と、次の瞬間、二人の目にとんでもないものが映った。その黒い物体は、まるで…化物だった。三つ首で、その首ごとに三つの目があり、その目がこちらをジロッと見ている。それから、体が黒い液で覆われていた。
“すいません、もの〇け姫か何かですか?!”とツッコミたくなる状況。
少年「……特撮かな?」
……お前、天然か?!
小夜「違うと思うんだけどっ……アレ?!」
目を疑いたくなる光景だった。
小夜「み、美由?」
美由とは、小夜の友達のことである。しかし、今ここにいる美由は傷だらけで倒れていた……。
小夜「ちょ、ちょっと美由!しっかりして!!」
体を揺らすものの、反応がない。小夜の頭は、ただただ白くなっていった。
けれど、魔の手はもう、すぐそこに迫っていた。
少年「オ、オイ!お前、後ろ!!」
小夜「……え?」

だが、もう逃げる余地はなかった。時すでに遅し。小夜が振り向く頃にはもう、化物はすぐそこにいた。
…!!!?
でも、状況は一変した。
???「哀しき怨霊よ、その醜い心と共に成仏しなさい……能力・解放(アビリティ・リベレーション)」
一瞬の出来事だった。
その赤髪の少女から放たれた炎は、化物の体を包み、退くことに成功した。
少年「あの、何なの今のセリフ?恥ずかし…」
少女「何?何か文句ある?(黒笑)」
…黒オーラ来た!
小夜「あ、ありがとうございます」
少女「気を抜くのはまだ早いわ。それに、その傷だらけの子も助けなきゃ」
(ガルルルル…!)
キララ「炎が効いてない!?……仕方ないわ。ちょっと、そこのアンタ!ねぇ、突っ立ってないで協力しなさい?」
少年「ん…俺?!」
少女「アンタしかいないでしょ?…死にたくないなら言うことを聞いて!……ちょっと、囮になってくれない?」
少年「お、囮って…まさか俺を犠牲にするわけじゃないだろーなぁ!」
(ちっ、バレたか)
少年「うおおおおい!心の声聞こえてるんですけど〜(泣)」
少女「うるさいわね!つべこべ言わずにさっさと行きなさいよ!!…それとも何?死にたいわけ??」
少女の鋭い視線が少年を刺す。
(ガルル…)
化物はゆっくりと近づいてくる。
少年「うっ、わかったよ。行きゃいいんだろ、行きゃあよ(´Д`)」
少年は化物の視線を自分の方へと向け、逃げ始めた。
少年「ちょっ!追いかけてくるスピードはやっ!!」

(ぎゃあ〜〜〜〜〜(T□T)=3)

少女「ほら、その子の傷を見せて」
そう言うと、少女は手を美由にかざした。
ほわぁんとした光が美由の体を包む。
…!!
傷口がみるみると治っていく。
…何コレ、アンビリーバボー!奇跡体験しちゃったよ!
小夜「あの、あなたは一体…」
少女「そんなことより、今度はアイツを助けなきゃ」
すると、少女は一目散に化物のいる方へと走っていった。


その頃、あの少年は体力の限界を迎えていた。
少年「ハァ…いつまで追いかけて…くるつもりだ……ちょ…疲れた…」
しかし、化物は少年に休むことを許してはくれなかった。
少年「もう…ダメだぁ…」
少年は化物から逃げるため全速力で走っていた。
少年は立ち止まり、後ろを振り返った。
(ガルルルル…)
化物は口を開き、こっちへと向かってくる。口の中に、鋭いキバが見えた。
少年「や、やっぱ走るー!」
…あぁ、俺何でこんなことしてるんだろ…。(←少女に脅されたから)足が重い…。俺死ぬのかな………って、いやいやいやいや!死ぬもんか!死んでたまるか!!
気付いたときにはもう、木の棒(先がちょっと尖っている)を持ち、化物の足へと刺していた。まさに、死に物狂いだった。
けれど、化物は“えっ、何かしたんですか?”というような感じでいた。痛みを感じないのだろうか…?
(グルルルル…)
いや、ちょっと痛かったらしい。やせ我慢だった。
だが、さすが化物。痛みにも慣れ、うなり声も止めた。そして、ちょっと怒っている。
…やべっ!
化物は少年のもとへ、ジリジリと迫ってくる。少し吠えた後、ついに少年のもとへと飛び掛かった。
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