エゴ

□柔軟体操
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「………と、いうわけなんですよ。」


「……へ…へぇ…。」


……夕べ、

野分にも同じようなことがあったのか。

「とても不思議な体験でした。」


「……だ…だな。」


「それでですね、その後、アレが突然痛みだしちゃって…」


「は?なんだそりゃ?」



「…で、タイヘンだーって、ソコ見たら…俺のだったんですよ。」


「そそそ…そうか、でもソレって、あっ当たり前なんじゃねーの?…夢見てただけだし…」



……そうなのだ

あまりの痛さに縮みあがっていたソレは…すーっと痛みが消えて…いつの間にか自分のアレに…戻っていた。



「……まぁ…そうなんですけどね…。」


そう言って、オレを見る野分の視線から、コーヒーを飲む振りをして逃げると


「…ヒロさん、人差し指見せてもらえませんか?」


「ブハッ!…ゲホッ…ゲホゲホッ!なっ…なんで!?」


「いえ、あの…ちょっと確かめたいことがありまして…。」


野分はオレの手を掴むと、人差し指をジッと見つめながら、ゴソゴソと自分のアレを出した。



「なっ…なんだよっ!?何してんだよっ!?」


手を引っ込めようとするオレを無視して、人差し指とソレを交互に見ている。



「お…おい、野分っ」


なんだよ、なんだってんだよ!?



「…………。いえ。ありがとうございました。」


ニッコリ笑ってオレの手を放した野分は、


「ヒロさん。…夕べ、俺と同じようなことがありませんでしたか?」



「え゙っ!?な…なななんの話だよっ!?」


………やばっ…。


「オ、オレは知らんっ。触ってないぞっ…ぁ…しまっ…///」


「……やっぱりですね。」


………なんでバレたんだっ!?



「つか…お前っ、ソレしまえよっ!」


目のやり場がねーだろっ!


「でも…ココ見て下さいよ。」


野分は自分のアレを指差し、オレに見ろと言う。

「何をだよっ///」

……いったい何を見ろってんだ。


「……あれ?…お前…コレどうしたんだ?赤くなってる…。」



野分のアレの先っぽに……小さな赤い痕が残ってる。


「ヒロさんの人差し指の爪と同じ形です。…ヒロさん…俺のコレに何かしましたよね?」


「何か…ってナニ…?」

「例えば…何かしたあと、コレにデコピンとか…」


含みを持たせているのは、野分の顔を見ればわかる…。

…これは…完っ全にバレてる。


「あー、っと…野分、コレには深ーいワケがあってだな…。」



「ええ、伺いますよ。なぜ俺のアレに残滓が残ってたのか…とか。…もちろん、ベッドの中で…。」


慌てふためくオレを抱き上げた野分は、そのまま寝室へと向かったのだった。





*****




………あの日から

なぜか野分は柔軟体操をするようになった。



「……野分、お前…なんで柔軟体操?」



………主にやっているのが「前屈」だ。



「……え?……ああ、それはですね、また同じようなことがあった時に…届くようにと思って。」


………どこに



「…なにが…届くって?」


「それは…、?…あの…ヒロさん…その拳は?」


「もし…またそんな事があったら…てめぇのアレを輪ゴムでグリグリに巻きつけてボンレスハムにしてやるから覚悟しとけ…。」


………もちろん

たっぷり可愛がってからな…。




(おわり)



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