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□いたずらっこ捕まえた
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ルフィ夢





「とりっくおあとりーと!!!」

「ルフィ」


明るい笑顔とは対照的な黒いマントを羽織っているルフィ。
手を出して、そう言った。



「とりっくおあとりーと?」

「ああ!お菓子くれなきゃいたずらするぞ!って意味なんだぞ」

「……ああ。Trick or treat、ね」


そうか。今日はハロウィンだったのか。
ルフィの期待を裏切るようで悪いけど、そんなこと全く覚えてませんでした。

イコール、


「お菓子持ってないよ」

「えーっ!!なんかねェのか?甘ェもん!」

「うん、ごめん。持ってないよ」



口を尖らせて、ルフィはさっきまで私が読んでいた本を取り上げた。

なぜか、笑顔。



「じゃあいたずらだ!」



そういいながら、部屋を出て行った。

…それはちょっと困るな。今すごくいいところだったのに。

無意識に足が進んでた。



「ルフィっ…本返してよ」

「嫌だ!」

「お菓子ならサンジに作ってもらって、さ」

「お前ェからもらいたかったんだ!」

「!」


走りながら、言い合う。

さりげなく恥ずかしいこと言うなァ、この船長は。


「ルフィ、本返して」

「……嫌だ」


麦わら帽子で見えないけど、声からしてちょっと怒ってる。

よっぽど期待してたのか。なんかすごく悪いことした気分。


「ごめんって。来年はあげるから」

「本当か?」


明るい声で振り返った。

機嫌、よくなったみたいだ。


「うん、飴とか」

「えーっ!!飴じゃすぐに食べ終わっちまうじゃねェか」

「嘘だよ。ちゃんとしたのあげる」

「約束だぞ!」

「うん、だから本返し」


ばったーん


派手に転んだ。いい年して派手に転んでしまった。

しかもルフィを巻き込んだ。


「ししし!捕まっちまった」



いたずらっ子つかまえた
(やっぱり今ほしい!)(じゃあ来年はなしね)(!…我慢する)




 

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