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□乙女心が燃えてくる!
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好きな人は、筋トレしてるか寝ているか。

そして今は、寝ている。



「ねェゾロッ!」

「ぐゥ」

「……むゥ…」


「諦めなさいよ、そいつ何しても起きないから」


ナミが呆れ顔で笑う。

そんなこと分かってる。だけどかまってほしいよ。

せっかく仲間に入れてもらったのに。

なんだか仲間はずれみたいだよ。


「ゾロのヴァーカ。ゾロの分のおやつまで食べちゃうからね」

「んだと!」


呟くと、ゾロが目を開けた。

起きてるじゃん……!!!

黒い笑みを浮かべながら、ゾロに迫る。


「ゾロ…もしかしてずっと起きてたの!?」

「違ェ!今…起きたんだよ」

「…じゃあ一緒に遊ぼうよ!」


お得意のスマイル。

だけどゾロには効かないみたいで。


「ンなのルフィやウソップとしてこりゃいーだろ」

「ゾロは私がゾロ以外の男の子と遊んでもいいの?」

「別にいいだろ、そんなの」


さらっと言うゾロ。

この人は…乙女心がまるでわかってない…!!!


「ゾロの馬鹿―――ッ!!!」

「ぐふっ!!!」


乙女のパンチが右頬にクリティカルヒット。

案の定ゾロは倒れこんだ。


「それで目覚めたでしょマリモめ!!」

「な…なんなんだよあいつ」


私は子供みたいにあっかんべして走り出した。

少しだけ涙が瞳を濡らす。


…やっぱり寂しいよ。

だけどだからこそ!


乙女心が燃えてくる!
(ルフィ、ウソップ、チョッパー!一緒に遊ぼ!)
(なんかうぜェ…けど寝るか)
(いい加減分かってあげなさいよ…)



 *
きっとゾロも恋心が分かってない!
だからあえて甘いのは控えめで。
いや僕が甘いの書けないわけじゃないよ?そんなわけないじゃん!そんな、わけ…!


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