novel
□背中に愛を
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「口開きっぱなしにしやがって…だらしねェ奴だなァおい」
「だって…っ、あ、あぁ…っ」
「だってなんだァ？」
すっかり俺を咥え込んだ神威は呼吸するので精一杯になっている。すぐに腰を動かしてもいいが餓鬼の神威にそこまでするとすぐに意識をぶっ飛ばしてしまうから、髪を撫でながら呼吸が整うのを待ってやる。
「はぁ…っ、晋助ェ…っ、動か、ないの？」
「何言ってんだ、今動いたらテメェ意識ぶっ飛ぶぞ」
「あ、…でも…っ、晋助に気持ちよく、…なって欲し、から……」
不覚にも神威の中で自身の硬度が増したのを感じた。俺は思わず苦笑しながら神威の髪に口付けゆっくりと腰の律動を開始させる。一丁前に俺に気ィ遣いやがって、可愛い奴だな。俺は神威の様子を見つつ腰を動かし、漸く圧迫感に慣れだした頃合を見計らって、神威がよがる箇所を突き上げる。
「ひぁっ…！あン、…っしん、す…け…あ、…んぅ……っ」
「…俺に気持ちよくなって欲しいんだろ？」
「でも…っ、これじゃ…あぁっ！…俺が…お、れだけ…が、っ…気持ちい…じゃ」
「何言ってんだ、俺も十分気持ちいいんだよ…」
突き上げてくる度にぎゅうぎゅうと締め付けてくる感覚に目を細めながら答えてやると、神威は嬉しそうにはにかみ俺の頬に軽く口付けてきた。その一連の姿が愛らしくて神威の腰を掴むと、たかが外れたように神威に腰を打ちつけた。
「っあぁン！あ…っ、しん、すけ……っ！んンっ…！きもち、いい……ヨ……っ」
俺の背中に十本の指先が食い込む。内部を犯せば犯すほど、俺の背中に感じる痛みは強くなってくる。ただ、その背中に感じる痛みよりも、下腹部に集まる熱の方が遥かに強くて眩暈がする。何度も射精しそうになるのを堪えながら神威を追い詰めるように内部を突き上げる。止むことなく与えられる快楽に無意識に首を振りシーツを蹴る神威の十本の指は、どんどんと俺の背中に食い込み一本ずつ赤い線を描いていることだろう。
「ダメっ…あぁン！しんすけェ…！ンあっ…はっ……、もうイク……っ！」
「はは…可愛い声でも出しながら、イッちまいな…」
耳元でそう囁くと髪に鼻先を埋めながら腰の動きを速くし、神威の射精を促した。
「ひぁっ…あ、あ、…も、…っあああっ！」
「くっ…」
神威が射精した瞬間の締め付けに、俺も誘われるように神威の内部に達した。
射精の余韻に浸りながらしばらく神威を抱き締めていると俺の肩を指先でツンツンと小突いてきた。俺が神威を見ると頬を紅潮させながらにっこりと微笑んできた。
「俺、意識…あるネ…」
「あぁ、珍しいな…」
「今日は、頑張ろうって、思ってたから…」
「…は？」
俺が訝しげな表情を浮かべながら、ゆっくりと自身を引き抜くと、神威は一瞬だけ眉を寄せ甘い吐息を漏らし俺の背中を撫でる。俺は軽く首を傾げながら神威の隣へ横になると、「背中を向けて」と言うので、俺は言われたとおり背中を向けると後ろから抱きつかれた。
「ごめんネ…血、出てる」
「あぁ、そんなに痛くねェ、気にすんな」
「いっつも気になってたんだ、晋助着替えるときに傷が見えてたから…」
「はっ、テメェなりの愛情表現だと思って傷くらいもらってやらァ」
俺が小さく笑うと、神威も小さく笑ってから「ありがとう」と呟いた。暫くして、傷が急に沁みたのでゆっくりと振り返ると、神威が背中にそっと手を添え、傷口をいたわるようにペロペロと舐めていた。これをするために頑張って意識を繋ぎとめていたのかと思うと沸々と愛しさがこみ上げてきて、沁みていたはずの傷口さえも甘い刺激に変わりつつあった。
――テメェからもらう傷跡なら、喜んで受け取ってやる。
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高威ハスハス！
お粗末さまでした。
2011.12.6.
姫様