novel

□散らばる赤
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今日はとある星で物見遊山の予定だ。その星では今、天人と天人同士が勢力争いに勤しんでいて常に断末魔が響いているのだとか。それを聞いた神威が目を爛々とさせて意気揚々とアンテナのような跳ね毛を揺らしながら「晋助!そこの星ちょっと遊びに行こうよ!強い奴がいるかも知れない!」と言って、高杉の服の裾を軽く引っ張っておねだりをしたのは昨日の話。珍しく子供らしい表情をして強請ってくる神威を制止する気も起こらず、二つ返事で了承をした。元より高杉自身も、文明の発展も空しく私利私欲によって荒廃の地になろうとしている星に興味があった。その昔、自分たち攘夷志士が創りあげた屍の山と血の海と悲しく残響する風の音。それらを髣髴とさせるやも知れぬ惨状を今また見ることが出来るのであれば、神威の提案に乗るのも一興。神威の頭をぽんぽんと軽く撫でてから、目的地をその星へと定めた。

その星へ到着するのはあと一時間程度、高杉の部屋ではのんびりと神威が身支度をしていた。お馴染みの服を身に纏っている最中、神威は「あり?」と声をあげる。


「晋助、なんか首とか胸に赤い斑点があるんだけど…、これってなんかの病気かナ?」


鏡を見ながら目をぱちぱちと瞬かせ、高杉の方へと視線をやると服を大きく広げ首や胸元を見せつける。そんな神威を見て、くすくすと笑ってから煙管の吸い口を咥え煙を肺に入れそして天井へと吹き出す。天井へと向かう紫煙を目で追うも、笑うだけ笑って答える気配のない高杉に神威は唇を尖らせ服を肌蹴させたまま、座椅子で寛ぐ高杉の元へ向かい真正面に座る。

「ねぇ、これ何?」

「さぁな。女抱いたことあるんならその質問は無粋ってもんだぜェ神威」

「女を抱いたことはあっても男に抱かれたことはないヨ」

「クク…、違ぇねェ」


神威の正しい返答に可笑しそうに笑う高杉だが、未だ赤い斑点が何かわからずにいる神威はぶすっとした表情のまま高杉を見つめる。そんな神威を一瞥してもう一度煙を吹き出してから、煙管片手に神威の腕を掴み己の胸へと引き寄せ桃色の髪に軽く口付ける。


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