書斎 〜参〜
□エスカペイドH
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『えー、皆様こんにちは!3年6組の自称ムードメーカー、リチャード・スミスです!』
ふいに、拡声器を使用した放送が流れてきた。
よく見れば、パイプ椅子に2人の男子が座っている。
『本日はようこそ、シリウスとジェームズの真剣バドミントン勝負にいらっしゃいました。負ければ過酷な罰ゲームが待つ、仁義無き争い。どうぞごゆっくりご覧下さい。
なお、本日の実況つうか司会は俺が務めさせて頂きます、どうぞ宜しく!』
「よっ、待ってました!」
「今回も頼むぞ、スミス!」
『ありがとうございます。
それでは、本日の解説をご紹介いたしましょう。同じく3年6組、元野球部のソニアちゃんです』
『ちゃんを付けんなって。女みてぇだろ』
『名前はソニアでも、れっきとした男子なので、そこんとこ了承しといて下さいねー』
引退してから伸びたツンツンの頭が掻き混ぜられる。
それを笑いながら振り払って、ソニアは解説に移る。
『勝ったら何か商品がもらえんだったっけ?』
『えぇ、シュークリームが用意してあります』
『へー。
で、この勝負のポイントとしては、どちらもバド部のOBじゃない点が挙げられるな。どちらかが有利なわけじゃなく、技術面ではどっこいどっこいだ』
『なるほど』
『だけど、ここで2人の体格に注目してほしい』
『体格?』