書斎 〜参〜
□ネガティヴと恋
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「リーマスに嫌われたかもしれない……」
談話室にいたジェームズの元へよろよろと近づいてきたシリウスの、呻くような第一声がこれだった。
「ふーん、どうしたの?」
「ふーん、だと?お前、俺がこんなに打ちひしがれてるっつうのに――」
「はいはい早く喋りなさい」
親友はあくまで冷静だ。
けして冷淡なわけではない、断じて。
叱られた犬のように鼻を鳴らすと、シリウスはポツポツ話し出す。
「図書館に行ったんだ、リーマスがいるって知ってたから。そ…そしたら…本から顔を上げたリーマスがすっげぇ冷たい目で『向こう行って』って…!」
「邪魔する君が悪いんじゃないか」
「もう駄目だ…俺はリーマスに嫌われたんだー!」
「話聞けよ」
顔を覆って打ちひしがれている親友を、ジェームズは心底困った表情で見つめた。
一応、慰めてやる。